「ペプシホワイト」と「クラシックデザイン」の戦略ポジション

2008.10.27

営業・マーケティング

「ペプシホワイト」と「クラシックデザイン」の戦略ポジション

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

10月21日から「ペプシホワイト」が発売になった。6月10日に発売された「ブルーハワイ」に続く、今年2度目の期間限定品だ。さらに、自動販売機限定で静かに人気が高まっているのがダイドードリンコの「ペプシコーラ クラシックデザイン」だ。コーラ業界におけるこれらの商品の戦略を考察してみる。

まず、「ホワイトペプシ」を購入し、飲んでみた。
・・・意外なほどおいしい。今年の6月に発売された青いコーラ「ブルーハワイ」の強烈な味、甘みと独特の舌に残る微妙な苦みを思い出し、かなり覚悟を決めて一口含んだので、少々拍子抜けでさえある。
メーカーのニュースリリースによると<軽やかな香りが心地よい、爽やかなヨーグルト風味のコーラ飲料>であるというが、偽りはない。
http://www.suntory.co.jp/news/2008/10226.html

日本にける飲料業界第1位は日本コカ・コーラであり、第2位がサントリーである。サントリーは日本国内においてはペプシのマーケティング及び製造販売総代理権を1997年に取得している。そして、コーラ飲料における世界的なシェアは地域的には逆転しているところもあるが、コカ・コーラは「リーダー」であり、ペプシが「チャレンジャー」だ。
日本国内においてはコーラ飲料ではコカ・コーラが圧倒的だ。企業としても、ブランドとしてもチャレンジャーのポジションを余儀なくされているという現状がある。

圧倒的な力で圧するリーダーに対して、チャレンジャーの戦い方の基本は徹底した「差別化」だ。その象徴である米国発の「ペプシチャレンジ」というキャンペーンはあまりに有名だ。どちらが製品か明らかにされていないコップを街行く人に両方飲ませ、美味しいと思う方を指ささせる。そして「うゎー、ペプシだッたんだぁ?」と被験者が言う。比較広告が嫌われる日本においても展開され、テレビCMにもなった。

差別化はキャンペーンだけではなく、商品においてもなされる必要がある。その象徴が、定期的に上市される「期間限定変わり種コーラ」だ。
ブルーハワイ以前にも、2007年6月12日にキュウリ風味の「アイスキューカンバー」、2006年には、5月16日にスパイシーな「レッド」、7月4日にトロピカルフルーツ味の「カーニバル」、10月10日にジンジャー味の「ゴールド」と矢継ぎ早に発売された歴史があるのである。
つまり、期間限定変わり種コーラは、リーダーに対する差別化戦略を行うチャレンジャーの戦略と定石通り考えられるため、今後も間違いなく続くことわかるのだ。

さて、コーラ飲料業界を見渡すと気になる存在がもう一つある。ダイドードリンコの「ペプシコーラ クラシックデザイン」だ。
http://www.dydo.co.jp/product/seihin/product.phtml?PD=629

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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