我々は半分しかわかっていない

2008.10.21

経営・マネジメント

我々は半分しかわかっていない

野町 直弘
株式会社クニエ プリンシパル

ビジネスというのは常に双方向の立ち場で見なければならない。VOS(ボイスオブサプライヤ)の重要性とは?

先月のはじめですが、
弊社で「戦略的サプライヤマネジメントの重要性」というセミナーを
開催しました。

その中でM重工の購買部の方にご講演をお願いし
「VOS(Voice of Supplier)から始める戦略的サプライヤマネジメント」
というテーマでお話を伺いました。

「VOS」とは、正に「サプライヤの声」を聞くということです。
日本企業は従来「協力会」という仕組みの中で
サプライヤとのコミュニケーションを重要視してきました。

しかし、近年では「協力会」がマンネリ化し、
コミュニケーションの場として上手く機能していない声も多く聞かれます。
一方で、先進的な日本企業の調達・購買部門は
近年サプライヤとのコミュニケーションを一層重要視しているようです。

ご講演では、
M重工の当時おかれていた状況(納期遅れ、供給不足が多発)から
業務改革PJが立ち上り、そのPJの一環として
「サプライヤの声」を聞いた、というものです。
「サプライヤの声」には多くの示唆があり、
その当時の仕組み自体に大きな問題が存在していたことが判明、
その声に応える形で業務改革を推進していった、という内容でした。

お話の中で非常に象徴的な言葉がありました。

それは、
「我々は片側から見た半分のことしか分かっていなかった」
というフレーズです。

調達・購買部門は自社の中では
唯一サプライヤ(売り手)の方向から考えられる(考えなければならない)
立場です。
一方でサプライヤに対しては
買い手を代表して考えられる(考えなければならない)立場です。
そういう点からは、
双方の視点で一番ものが見れる立場であると言えるでしょう。

それでも日々の仕事の中で知らず知らずの間に
「半分しか分かっていない」状況に陥ってしまうのです。

私自身も過去の多くのお客様のプロジェクトの現場で
同様の経験をしています。
クライアント企業を代行して
サプライヤさんに我々だけで声を聞きに行くことも多くあります。
そういう場面で
「この要件をこうしてくれれば、もっと安い価格で提案できたんですけど。。
契約期間をこう見直してくれたら、
計画的な投資ができるので生産性が向上するんですけど。。」
という話を聞きます。

「サプライヤの声」を聞くことはそういう点からも非常に重要で、
調達・購買部門のタコツボ化を防ぐための手法の一つと言えるでしょう。

そういう点から考えると
「戦略的サプライヤマネジメント」と言っていること自体、
考え方が間違っているかもしれません。
「サプライヤ」を「マネジメント」するのではないのです。
今までは「サプライヤマネジメント」とはどちらかと言うと
「サプライヤの集約」というような一方的な管理手法を指していました。
これを「双方向」の関係にしていく、いやこれでも足りません。
「双方向」ではなく「対等なコミュニケーション」こそが、
今必要になっているのでしょう。

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野町 直弘

株式会社クニエ プリンシパル

NTTデータグループのコンサルティング会社である株式会社クニエの調達購買改革コンサルタント。 調達・購買分野に特化したコンサルティングを提供している株式会社アジルアソシエイツの元代表。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルがサービス提供を行います。

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