本場の味かローカライズか

2008.09.02

営業・マーケティング

本場の味かローカライズか

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

居酒屋の「権八」(ごんぱち)といえば、 来日した米国ブッシュ大統領を小泉首相がもてなした 西麻布のお店が有名ですよね。 権八西麻布店での日米トップによる夕食会が開かれたのは、 2002年2月18日のことでした。

あれからもう6年以上経過したわけですが、
六本木に近いこともあり、権八西麻布店は外国人客が多く、
大いに繁盛しています。

さて、権八を運営する

「グローバルダイニング」

では、

「権八が、これだけ外国人に受けているなら・・・」

と考えて昨年(07年)3月、
権八ロサンゼルス店を開店しました。

ところが、期待に反して客足は低迷。

店長や売り場チーフの入れ替えを含む、
抜本的なてこ入れに乗り出したそうです。

(日経MJ、08/08/25)

客が入らなかった理由としては、

来日中の旅行客と、
現地の米国人では求めるものが違ったから

という判断を同社ではしています。

したがって今後は、
米国人好みの味付けや内容量に変更する予定とのこと。

各国の料理には、その国々の食文化や食習慣が
色濃く反映されていますよね。

ですから、旅行客は外国では

「異国情緒」

を文字通り味わいたので、

「本場の味」

を期待するもの。

この場合、本場の味をそれほどおいしく
感じなかったとしても、だからこそ外国に来た甲斐が
あったと思える。

しかし自国に戻り、普段の生活の中で
たまに外国料理を楽しむのは、異国情緒というよりも、
食生活に変化をつけるため。

やはり味付けは自分好みにしてあったほうが、
繰り返し来ようという気になりますし、
内容量も満足できるものであってほしい。

米国に行かれた方はおわかりになると思いますが、
現地のレストランの料理はレギュラーサイズでも、
日本人から見れば大盛り、いや特盛りサイズといえる
ほどのボリュームがありますよね。

日本食の上品でかわいらしい盛り付けは、
外国人、とくに米国人にはものたりないでしょう。

実はここ数年、
ヘルシーな日本食は全世界的なブームです。

しかし、外国にある日本料理レストランでは、
多くの場合、日本本場の味ではなく、現地の人々の嗜好に
合わせたローカライズが行われています。

食文化の点から批判も多い、
和食の無節操なローカライズの是非はさておき、
国や地域によって異なるターゲット顧客の好みを理解し、
微調整を図ることは、どんな業種・業態においても
不可欠なことですよね。

そういえば、先月7月10日、
アメリカで鉄板焼きレストラン、

「ベニハナ」(Benihana)

を成功させた青木廣彰氏(通称、ロッキー青木)が
亡くなっています。

彼の展開したベニハナは、
従来の日本の鉄板焼きから見れば
常識破りの内装やショー仕立てのサービスなど、
米国人好みのローカライズをしたのが成功の要因だと
言われていますね。

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松尾 順

有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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