これからはマーケティングだ!と言う前に。

2008.08.15

営業・マーケティング

これからはマーケティングだ!と言う前に。

伊藤 達夫
THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

経営者・リーダーというのは、いろいろなことを言って社員に前を向かせて、組織を動かしていかなければなりません。 そんな時、よく見かける経営者・リーダーのスローガンは、「これからはマーケティングだ!」です・・・。

 携帯にカメラがついて、写メールが出てきて、みんなカメラつき携帯を買いませんでしたか?そういうことですね。

 そして、機能が極まってくると機能では差別化できなくなります。そうすると、強力なプロモーション、販売力によって売れるというふうになります。

 まあ、携帯なんて機能的にはどこでも一緒ですが、ソフトバンクのCMが一味違いますよね。機能が極まると販売のやり方によって、差をつける時代がやってくるということです。

 しかし、販売力によって解決できなくなってくると、お客さんが何を求めているのか?をしっかり捉えて、その上でそれを体現した商品を作り、お客さんとコミュニケーションをしっかりしていかないと売れない時代がやってきます。

 携帯電話が本当にお客さんのことを考えた活動をするようになるのは、もう少し先でしょうね。

 たいていの業界では、強力なプロモーション、販売力によっての成長ができなくなってきてから、これからはマーケティングだ!と言うようになります。

 そういう状況になると、市場調査をするようになる理由は、お客さんが求めていることを知るためですね。

 ただ、お客さんは自分が何が欲しいかは直接的にはわかりません。写メールが無い時代に、「携帯にカメラが付いたらいいと思います」と主張するお客さんがいましたでしょうか?

 お客さんは提案されてみないと、それを本当に欲しいかどうかわからないのです。当然、今、お客さんが何を求めているか?を知ることは重要ですし、それにお金をかけることも必要だとは思いますが、今後お客さんが何を求めるのか?を考えるために、現状を把握することが必要なんですね。

 予測につながらない情報集めは何の意味もありません。

 今後、こうなるのではないか?だからこそ、こんな商品をこんなふうに訴求していくことがいいのではないか?という仮説をしっかりと作り出し、可能な限り検証して、市場へと商品を投入していくことが、「これからはマーケティングだ!」と言い始めた時に必要な活動になります。

 こういうことをある程度把握した上で、スタッフにこれからはマーケティングなんだ!と主張しないと、スタッフは意味の無い活動を次から次へと始めます。

 結局、施策に結びつかない分析や顧客情報は、お金の垂れ流し以外の何者でもありません。

 仮説をしっかりと作り出す能力は、なかなかすぐに強化できるものではありません。売れる営業マンならできるとか、カッチリした管理のできる経営管理スタッフができるわけでもありません。

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伊藤 達夫

THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。

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