「夏休み短縮問題」で思うこと

2008.07.30

ライフ・ソーシャル

「夏休み短縮問題」で思うこと

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

現在、ちょっと夏休みをいただいている。日ごろ家族サービスをないがしろにしているので、夏休みぐらいは少しとって、しっかりやっておかないとと思ったのだ。 しかし、その夏休みをめぐって世間が少々かまびすしい。

<縮む夏休み、公立小中が授業増を優先>
http://www.asahi.com/national/update/0726/TKY200807260247.html

<夏休みを短縮している公立小中学校は、少なくとも全国の10%の自治体に広がっていることが、朝日新聞社の市区町村教育委員会へのアンケートで分かった。短縮の理由として7割が「授業時間の確保」を挙げる。>
学力低下是正のため、学生にとっては聖域ともいうべき夏休みまでが侵食されてきたようだ。

幼少期や学生時代の記憶をたどってみると、家族や友人との思い出は夏に集中しているように思われる。やはり、「夏休み」という長い時間のなせる業であろう。しかし、そんな甘酸っぱい記憶と同時に、夏休みという単語は、膨大な宿題に追われるという、苦い記憶も呼び覚ます。ドリルだのプリントだの、自由研究、工作、日記、作文、感想文・・・。何でこんなにたくさんの宿題が出るんだろうと思ったものだった。「こんなに宿題が出るなら、普通に学校やっててくれたほうがいいんだけど」などとも思った。果たして、そのとおり、夏休みを短縮して学校での勉強を増やそうという今日の流れになってきたのだった。もちろん、子供ながらに考えた宿題を減らす代わりではないのだが。

夏休み短縮には賛否両論があるが、どちらかというと批判的な意見が多いように思われる。それは、やはり夏休みを一種の「聖域」として捉える人が多いからだろう。筆者もやはり最初はそう思った。しかしもう少し考えてみると、別の見方もできる。

夏休みの意義について小学校の教師から、「夏は暑くて勉強の効率が上がらないから休みにするのだ」と教えられたことを覚えている。しかし、夏休みは8月いっぱいで終わる。9月の残暑厳しいときに学校は始まってしまうのだ。また、暑くて勉強の効率が上がらないにもかかわらず、いやというほど宿題は出ている。学校で効率が上がらないのに家で一人努力をするのはかなりの精神力を要する。「だから、夏の努力で差がつくんだ」などとも言われたが、そんな個人の努力に任せず普通に学校やってほしいと、やはり思った。
そう考えると、夏休みをそこそこで切り上げて二学期をはじめるのも悪くはないのではないかと思う。

また、夏休みが短くなったら、家族の旅行や様々な体験をする機会が減ってしまうという意見もあるようだ。しかし、子供の長い夏休みにフルに付き合えるほど長い休暇を取れる親が、欧米人ならぬ日本にどれくらいいるだろうか。自分の経験で言えば、土日を2回つなげて9日間が精一杯。それさえかなり無理をしてだ。だとすれば、夏休み短縮に反対する理由にはあまりならないだろう。

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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