顧客ニーズ: 自己の内なる欲求

2008.07.01

仕事術

顧客ニーズ: 自己の内なる欲求

猪熊 篤史

マーケティングにおいて良く論点となる「顧客ニーズ」について改めて考えてみたい。

売上が低迷している時、あるいは、製品が売れない時、顧客ニーズ、つまり、顧客の意見などに耳を傾けることが重要になる。根本的には、事業を始める段階、あるいは、製品・サービスを開発する段階で、市場調査などによって、何が必要とされるのか、何がビジネスとして付加価値があうのかを考えなければならない。

市場の流れ、社会の変化、技術の進歩、人口構造の移り変わりなどに基づいて「儲かりそうなビジネス」を選ぶというやり方はある。一つ事業を立ち上げ、軌道に乗せ、事業を売却するなどして、また、新たなビジネスを始めて成長させるという具合に上手く時流をとらえることのできる人もいる。

しかし、プロ野球でも5割バッターがいないのと同様にビジネスでも5割成功する人はいないようである。一方で、そう見える人、そう見える組織は多い。100%成功するという甘い誘惑を信用してはいけない。何を、どんな基準で数えるかにもよるが、そんなことは通常ありえない。目標や理想とするのは良いが、現実問題として受けとめると、判断を誤ってしまうことだろう。「ユニクロ」の創業者である柳井正氏は1割、あるいは1%の成功をよしとしている。

顧客ニーズのつかみ方は、体で覚えるしかない。顧客ニーズに応えることが重要だと教えることはできるが、それが具体的にどういうことなのかは、ビジネススクールなどで教えられるものではない。顧客ニーズの形、つかみ方、応え方も時代の流れとともに変わっている。出来るのは、顧客ニーズの形、顧客ニーズをつかむ方法、顧客ニーズに応える手段、顧客ニーズに対する対応の成功例や失敗例を参考にして、解答のない問題を考え続けることだけである。ビジネススクールなどにおけるトレーニングは決して完全なものではない。

どうやって顧客ニーズを体得するのだろうか?

それは仮説の設定と検証の繰り返しによってである。顧客が望むことを仮説として設定して、検証する。その繰り返しである。このようなプロセスは困難なプロセスかも知れない。仮説の検証プロセスにおいて、何らかの損失や衝撃は避けられないだろう。

そのような苦痛を和らげる方法を学ぶことはできるだろう。例えば、仮説の検証を楽しむという考え方がある。しかし苦痛を全く受けないように正解だけを抽出することはできない。正解確率は高まってもせいぜい3割程度まではないだろうか?あるいはもっと低いかもしれない。失敗ばかりよりは良いという意味で、学習による効果は一定以上あるだろう。机に向かって勉強しなくても、行動して試行錯誤することが学習となる。

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