アフリカの「プレイポンプ」に学ぶ仕事の変革

2008.06.26

ライフ・ソーシャル

アフリカの「プレイポンプ」に学ぶ仕事の変革

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

今年の夏もまた、ボルヴィックによる「 1L(リッター)for 10L 」キャンペーンが始まっている。 アフリカの「水汲み」から、日々の仕事をどうしたら楽にできるのかを考えてみた。

店頭によってはまだ、キャンペーンが記載されたボトルが並んでいないようだが、今年のキャンペーンは6月1日から9月30日までのようだ。
http://www.volvic.co.jp/1Lfor10L/

昨年第1回が開催され大きな反響を呼んだこのキャンペーン。ボルヴィックのミネラルウォーターを消費者が1リッター購入するごとに、10リッターの清潔で安全な水がアフリカに生まれるという。具体的にはユニセフを通じ、飲料水を確保するための井戸づくりと、10年間に渡るメンテナンスを行う資金に充てるということだ。
筆者は環境負荷を考えると湧出地が近い製品を普段は選んだりしているのだが、この季節ばかりは積極的にキャンペーンに乗って、ボルヴィック製を飲み続けてしまう。同社の戦略に乗せられているのはわかっているのだけれど、悪いことではないのかなとも思う。

さて、同キャンペーンでアフリカに作られるのはごく普通の手押し式ポンプ井戸のようだが、気になる井戸を見つけた。
「プレイポンプ」というらしい。
http://greenz.jp/2008/06/23/playpumps/

上記リンク先に仕組みは詳しく書かれているが、簡単に言えば、手押し式ポンプの代わりに、人力で回すメリーゴーランドのような子供たちの遊具が手押し式ポンプの代わりになっているのである。子供が遊具を回して遊ぶ。すると、水が汲みあがって地上7メートルに設置された2,500リッター入りのタンクに収容される。
ボルヴィックによって設置される手押し式ポンプでも十分役に立つ。だが、この「プレイポンプ」はさらにその上を行く発想であると思う。

「仕事が楽しみならば人生は極楽だ。仕事が義務ならば人生は地獄だ。」
そんな言葉を遺したのはロシアの作家、マクシム・ゴーリキー(1868~1936)。
「仕事というものは決して楽しいものではないが、同じ働くのであれば、その仕事を楽しいと感じるような方法を身につけるべきだ」と解釈されることが多い。
確かに、同じ仕事でも気持ちや心の持ちようで辛くも楽しくもなる。それが義務ではなく、自分にとっての楽しみであると考えることができれば、同じ仕事でも全く違った気持ちであたることができる。

だが、もう一歩進めて考えてみれば、それは気持ちの持ちようだけではなく、仕事自体を全く違うプロセスに変革できれば、本当に仕事を楽しくできるのだともいえる。今回紹介した「プレイポンプ」はそんな好例ではないだろうか。

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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