世界を変える会社の作り方~8~

2008.06.20

経営・マネジメント

世界を変える会社の作り方~8~

山口 揚平

~スタートアップ期(2年間)に生じる壁と対策~  会社とは何か、事業とは何か、お金とは何かといったことをお話したいと思います。  私は起業を決意して、行動を起こし、何度も何度も失敗を繰り返し、ようやく2年を乗り切った新米の経営者です。まだ成功しているわけではありませんが、私がなぜ起業をし、何に失敗し、何を学んだのかについて率直にお話することで、皆さんの将来の糧にしていただければ幸いです。

 1番目の経営資料としてだけ利用すると、タイムシート導入は失敗します。末端の社員がテキトーに記入するようになるからです。大事なのはフィードバックです。タイムシートを出してもらったら、月に15分でも時間を取り、個人ベースでフィードバックをします。コミュニケーションをしっかりとることが、内的モチベーションを上げていくための重要な作業です。

 そして最後、(5)「失敗を多く犯すこと」。失敗を早くして、倒れて、なぐさめてもらって、立ち直って、また戦うことです。要は早くたくさん失敗して学ぶということです。くり返しが大事だと思います。そのためには、なぐさめてもらえるように、周りの人に日ごろから功徳を積んでおくことが大事なのかなと(笑)。プライベートでパートナーがいるのに超したことはないですが、友人でも家族でも信頼できる人なら誰でもいいと思います。とにかく事業で大事なのは、人に尽きるという話です。

最大のコストは経営者のハート

 そろそろ、事業における最重要課題、経営者自身のマネジメントについて述べていきたいと思います。2年間やって、“人”の問題に並んでの失敗は、自分のメンタルマネジメントでした。

 会社を辞めるとわかることですが、ものすごい空虚感に襲われるものです。むやみやたらに寂しくなります。昔の同僚とランチしたくなり、お金を使いたくなります。ストレスで不安がずっとつきまといます。視点が短期的になり、プランが思うように進まなくなります。欲深くなり、プライドが出る……などなど。

 事業における最大のコストは、経営者のハートです。
 
 シェアーズのビジネスプランと実際のスケジュールは、オンタイムではなく半年ぐらい遅れています。原因のひとつは、当初、私の体調が悪く、進行が遅れたことです。焦りや不安、ネガティブな感情が物事を遅らせたという点も大きいと思います。

 2006年、2007年をピークに、自信がなく、人に会うのが怖いぐらいでした。もちろんこれは私だけに限った話ではありません。他の社長の話を聞いても、同じような経験をしているようです。

 感情のブレを徹底して排除するためには、「いかにリラックスするか」が非常に大切です。

リラックスするための出費は「経費」

 起業当初、高級ホテルに泊まったりしていたことがあります。昼の11時にチェックインして、寝たり、お茶を飲んだり、公園を歩いたりしました。フィットネスをしてディナーをとります。ただし、ムダづかいをする自分を責めたりする自分もいて、あまり効果的ではありませんでした。

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