マクドナルドの「食育」に見る戦略的自由度

2008.05.24

経営・マネジメント

マクドナルドの「食育」に見る戦略的自由度

伊藤 達夫
THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

マクドナルドのトレーに張ってある紙に、「食育」について、里中満智子さんのマンガによる解説がありました。いわゆるファーストフードの代表、マクドナルドが食育!?それはどんな意味合いがあるのでしょうか?

 今後、マクドナルドが食育的な商品を出してきたら、業界が一気に変わってしまうとは思いますが・・・。
 
 ただ、今の、低価格、季節限定の高価格商品、セット販売による高粗利という路線と、食育的なお話しはどう両立させるのかはよく見えませんけどね。

 統合できたらすごいストラテジストですけどねー。

 CSRをしばらくやったら、昔から食育に力を入れていましたぐらいのことは言えますよね。いつ、あまり健康的とは言いがたい商品をセブンイレブンのように?売りつくすのかはわかりませんが・・・。まあ、いつまでそういう選択肢を先延ばしにできるか?という論点は非常に興味深いです。

 いわゆるオプションのお話しですね。

 ただ、強い者は強い。戦略的自由度はとても高い。大量のキャッシュとナンバーワンという地位さえあればなんとかなる・・・。ブランドエクイティでやっている企業イメージの連続性の議論は何なんだろう、と思ったりもします。もし、マクドナルドが転換したとして、ブランドの学者さんはなんというのか楽しみではありますが・・・。

 ロッテリアが絶品チーズバーガーを出しているのも、昔から考えたら想像がつかないですけどね。

 でもね、思うのです。

 マクドナルドのソーシャルバリューってなんだろう?、と。

 安い価格で食べ物を提供している?ちょっと嫌味に言うと、安い価格で、食べながら友達としゃべれる場を提供している?

 でも、あんまり健康的な食べ物でもないことはみんな知っている。

 その罪滅ぼし?としてのCSR?食育?

 ナンバーワン企業は「牛歩」ができる。プラグもできる。(ふたをするという意味で、強者先行の戦略の意味)

 いつまで牛歩するのかは知りませんけど。

 企業経営に、ノブレスオブリージなんて、ないのかもしれませんけど。

 キャッシュフローの最大化とは別軸で、何か社会的ビジョンを持って欲しい。

 CSRという意味でもなく、ソーシャルマーケティングという意味でもなく、普通に事業コンセプトとして、事業の提供価値として持って欲しいと思うのです・・・。

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伊藤 達夫

THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。

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