人と同じことが言えて・・・

2007.05.09

ライフ・ソーシャル

人と同じことが言えて・・・

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

私が、「プロのマーケター」の端くれとして、 常に重視していることがあります。 それは、 「アイディアの独創性(オリジナリティ)」

です。

逆に言えば、単なる他人の猿マネや焼き直しのアイディアは
絶対に避けたいということです。

ただ、まったく何もないところからオリジナルなアイディアを
生み出すというのは極めて難しい・・・
(一握りの天才を除いては!)

ですから、天才でもなんでもない私としては、
手持ちの情報を組み合わせたり、形を変えたり、発展させること
によって、なんとか多少なりともオリジナリティを持たせようと
するので精一杯です。

こんな私が、心に強く刻んでいる言葉があります。

「人と同じことが言えて、人と違うことが言える」

これは、私が尊敬する東京大学教授、
妹尾堅一郎先生から教えていただいたもの。

「研究者が目指すべき態度」とでも言えるものです。

どんな意味なのか、ご説明しましょう。

まず、

「人と同じことが言える」

とは、自分の専門分野において過去に公表された
様々な理論や実践例、意見などに通暁していて、
求められればそれらについて説明することができること。

すなわち、他人が「既に語ったこと」を知っているから、
自分も言えるということです。

一方、

「人と違うことが言える」

とは、既に人が語ったことではない、
自分なりの新しい理論や考えを生み出すこと。

すなわち、過去に語られなかった自分発の

「新しいこと」

を言うことです。

そして、もし、単に「新しい」というだけでなく、
これまでの定説を覆すような発見や証拠、有用性があると
認められれば、それは

「独創性」や「創造性」の高い価値ある言説・アイディア

として、周囲から高い評価を受けることもあるわけです。

前述したように、これは、大学などで研究を行う
研究者に向けられた言葉です。

関心領域の研究を行うに当たって、
まず先行研究を徹底的にレビューするのは、
「人と同じことが言える」ようになるため。

また、これは、自分が行おうとしている研究の核となる
アイディアが、二番煎じではないかを確かめるためでもある。

新発明の製品を特許出願しようとする際に、
過去に別の人によって同一・類似の発明が出願されていないか
を特許データベースで調べるのと同じような行為ですね。

もし、この過去研究のレビューをおろそかにし、
ひとりよがりなアイディアだけで研究をやってしまうと、

「あなたの言ってることは、既に20年前に立証されてた
 ことじゃないか。だからもはや研究をやる価値はないよ」

などと言われてしまう可能性があります。

さて、私が先ほどの言葉を心に刻んでいる理由は、
研究者だけでなく、斬新なアイディア、二番煎じでない提案が
求められる「マーケター」にとっても意義ある言葉だと
考えているからです。

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松尾 順

有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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