学ばない人間による老害が、この国を覆っている 年齢ではない。更新を拒む在り方が、社会を腐らせる。

2026.06.01

組織・人材

学ばない人間による老害が、この国を覆っている 年齢ではない。更新を拒む在り方が、社会を腐らせる。

齋藤 秀樹
株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事

この国を覆っているのは、高齢者そのものではない。 本当に問題なのは、学ばないまま、権限と発言力だけを持ち続ける人間である。 私は、それを「老害」と呼びたい。 老害とは、年齢のことではない。若くても、自分の正しさにしがみつき、学ばず、変わらず、人の成長を邪魔する人間は老害である。

学ばない人間による老害が、この国を覆っている

年齢ではない。更新を拒む在り方が、社会を腐らせる。

この国を覆っているのは、高齢者そのものではない。
本当に問題なのは、学ばないまま、権限と発言力だけを持ち続ける人間である。

私は、それを「老害」と呼びたい。

老害とは、年齢のことではない。
若くても、自分の正しさにしがみつき、学ばず、変わらず、人の成長を邪魔する人間は老害である。
逆に、年齢を重ねても、学び続け、問い続け、自分を更新し続ける人は、社会にとってかけがえのない財産である。

問題は、年齢ではない。
学ばない在り方である。

日本では、職業人生が長期化し、DXやGXによって仕事の前提そのものが大きく変化している。内閣府も、高齢期を見据えたスキルアップやリスキリングの必要性を明記している。さらに70歳までの就業機会確保も努力義務化され、長く働く社会はすでに現実になっている。

しかし、長く働くことと、長く価値を生み続けることは違う。

厚生労働省の令和6年度「能力開発基本調査」では、令和5年度に自己啓発を行った労働者は全体で36.8%。年齢別では、30〜39歳が45.0%、40〜49歳が38.3%、50〜59歳が31.4%、60歳以上は20.6%と、年齢が上がるほど自己啓発の実施率は下がっている。

ここに、この国の深い危機がある。

経験を積んだ人ほど、本来は学ばなければならない。
なぜなら、影響範囲が広がるからである。

若手が学ばなければ、本人の成長が止まる。
しかし、管理職や経営者が学ばなければ、組織全体の成長が止まる。
さらに、権限を持つ人間が学ばなければ、若手の挑戦が潰され、現場の声が封じられ、未来への変化が遅れる。

これが、学ばない老害の本当の害である。

老害は、いつも過去の成功体験を持ち出す。
「昔はこうだった」
「自分たちの時代はもっと厳しかった」
「若い人は我慢が足りない」
「結局、最後は気合いだ」

こうした言葉の問題は、古いことそのものではない。
その言葉の奥に、今の現実を見ようとしない姿勢があることだ。

時代が変わった。
働く価値観も変わった。
AIも変えた。
顧客も変わった。
若手も変わった。
社会課題も変わった。

それなのに、自分だけが変わらない。
変わらないどころか、変わろうとする人間を「甘い」「未熟だ」「現実を知らない」と押さえつける。

これは指導ではない。
未来への妨害である。

日本の労働生産性は、2024年時点でOECD加盟38カ国中28位。就業者一人当たりでも29位で、主要先進7カ国では最も低い状況が続いている。人手不足が進み、生成AIなどの活用による生産性向上が喫緊の課題とされているにもかかわらず、現場ではいまだに「長く働く」「我慢する」「上に従う」ことが美徳として残っている。

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齋藤 秀樹

株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事

富士通、SIベンダー等において人事・人材開発部門の担当および人材開発部門責任者、事業会社の経営企画部門、KPMGコンサルティングの人事コンサルタントを経て、人材/組織開発コンサルタント。

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