サービスサイエンティストとは、何を担う職業なのか ― コンサルでも現場でもない「価値設計の専門職」の正体

2026.05.04

経営・マネジメント

サービスサイエンティストとは、何を担う職業なのか ― コンサルでも現場でもない「価値設計の専門職」の正体

松井 拓己
サービスサイエンティスト (松井サービスコンサルティング)

「顧客体験(CX)が重要だ」「これからはサービス化の時代だ」――。 今や、どの企業の経営会議でもこうした言葉が飛び交っています。しかし、その意欲とは裏腹に、現場は依然として忙しさに追われ、改善は属人化したまま、戦略が価値として積み上がらないという現実に直面しています。 「分かっているのに、できない」。この停滞を招いている原因は、意外なほどシンプルです。その仕事を、誰も正式に担っていないからです。 今回は、この「誰も扱ってこなかった空白の領域」を担う専門職、「サービスサイエンティスト」の具体的な役割について解き明かしていきます。

「第二の専門性」というパスポート

ここで一つの疑問が浮かぶかもしれません。「そんな特殊な人を、外部から採用しなければならないのか?」という点です。

結論から言えば、サービスサイエンティストは最初からそれ単体で存在する職業ではありません。むしろ、すでに何らかの専門性(営業、開発、企画、運営など)を持つ人が、もう一つ手にする「第二の専門性」として捉えるべきものです。

「営業 × サービスサイエンス」「企画 × サービスサイエンス」というように、既存の強みにこの視点を重ねることで、初めて現場の実装が伴う力が生まれます。 この専門性は、組織のあらゆる壁を越えて価値を設計するための「パスポート(アクセス権)」のようなものです。これを持つことで、これまで「感覚」でしか語れなかった領域が、確かな「構造」として見えるようになります。

価値を「偶然」から「設計」へ

サービスサイエンティストが組織に存在することで、それまで点として存在していた現場の工夫が線になり、戦略が顧客体験として正しく実装され始めます。 それは一発の大きなイノベーションというよりは、「価値が育ち続ける構造」を組織にインストールするような変化です。

次回は、このサービスサイエンティストが実際に組織に入ると、現場の会話や意思決定がどのように変わっていくのか。その具体的な「価値証明」のプロセスに迫ります。

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松井 拓己

サービスサイエンティスト (松井サービスコンサルティング)

サービスサイエンティスト(サービス事業改革の専門家)として、業種を問わず数々の企業を支援。国や自治体の外部委員・アドバイザー、日本サービス大賞の選考委員、東京工業大学サービスイノベーションコース非常勤講師、サービス学会理事、サービス研究会のコーディネーター、企業の社外取締役、なども務める。              【最新刊】事前期待~リ・プロデュースから始める顧客価値の再現性と進化の設計図~【代表著書】日本の優れたサービス1―選ばれ続ける6つのポイント、日本の優れたサービス2―6つの壁を乗り越える変革力、サービスイノベーション実践論ーサービスモデルで考える7つの経営革新

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