サラリと実践・エコバック

2008.04.22

ライフ・ソーシャル

サラリと実践・エコバック

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

日経新聞の4月21日夕刊。「レジ袋追放 米で加速」という記事が掲載された。世界最大のレジ袋消費国で、流通業者が一気に配布中止や有料化に踏み切ったとのことだ。日本でもあちこちで有料化が始まっているが、これでレジ袋包囲網は一気に狭まった感がある。

告白する。普段、エコロジーのことや環境負荷軽減のことを取り上げて、「地球のためでも何でもない、自分自身のため実践せよ」と言っている割には、筆者は実は「レジ袋削減運動」に対してはちょっと積極的に与したくなかった。なぜって、全くの個人的感覚なのだが、レジ袋をぶら下げているより、昨今の「エコバック」をぶら下げている方がカッコわるく思えたからだ。特にスーツ姿では。根拠を問われても困るのだが。
店頭ウォッチングは必須の情報収集だし、料理も好きだ。なので、スーツ姿で買い物をすることも割とよくある。スーツにレジ袋もどうかと言われればそれまでなのだが、買い物をしてから、アタッシュケースからいわゆる「エコバック」を取り出して、商品を詰め込む姿が自分では、どうしてもイタダケナイと感じてしまっていたのだ。
しかし、レジ袋完全追放はすぐそこまで来ている。有料化されたら、たぶんイヤイヤ何円か払ってもらうのだろうけど、完全廃止は困るなぁ、などと考えていた。

さて、話は変わって、先週末、ある地方に出張した。帰りの飛行機では有名なカジュアル衣料の製造販売会社の経営者と乗り合せた。自然に着こなしたビジネスカジュアルが板についている。
筆者は土産を買い、袋に入れてもらいぶら下げて機内に乗り込んだ。その経営者もちょっとしたものを買ったようだ。しかし、品物はさっと、持参の手提げに収納した。ブリーフケースとは別に持っていた、ジーンズ製の袋だ。自社製品かは分からないが、彼が持つと実にオシャレに見える。
その経営者は3年で撤退したものの、かつて安全な食材にこだわり畑違いの事業にチャレンジした。環境問題に関しても独自のこだわりがあると言うことなのだろうか。サラリと布バックに品物をしまい、持ち歩く姿は自然でカッコイイ。自分のこだわりを実践しているのだろう。

レジ袋の撲滅はもはや時代の趨勢だ。後戻りはしないだろう。一方で、エコバックは一部のブランドまで参入し、ブームの感まである。そんな中で、抵抗する出なく、ブームに乗る出なく、自分の自然にスタイルを作っていくのは素敵だと思った。
抗わず、流されず。これは買い物袋だけの話ではないのだろう。

Ads by Google

この記事が気に入ったらいいね!しよう
INSIGHT NOW!の最新記事をお届けします

金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

フォロー フォローして金森 努の新着記事を受け取る

一歩先を行く最新ビジネス記事を受け取る

ログイン

この機能をご利用いただくにはログインが必要です。

ご登録いただいたメールアドレス、パスワードを入力してログインしてください。

パスワードをお忘れの方

フェイスブックのアカウントでもログインできます。

INSIGHT NOW!のご利用規約プライバシーポリシーーが適用されます。
INSIGHT NOW!が無断でタイムラインに投稿することはありません。