誰かがやる、はもう終わりにしよう ―フォロワーシップの時代 ―

2025.10.22

組織・人材

誰かがやる、はもう終わりにしよう ―フォロワーシップの時代 ―

齋藤 秀樹
株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事

「最近の若手は覇気がない」 「上司に言っても変わらない」 「どうせ頑張っても報われない」 今、日本の多くの職場で聞かれる言葉だ。 だが、これは個人の問題ではない。 時代の構造が変わったのに、組織の在り方が変わっていない── その歪みが現場の無気力を生んでいる。 経営環境は激変し、誰もが正解を持たない時代。 にもかかわらず、多くの会社はいまだに「上司が決め、部下が従う」という旧来の構造にしがみついている。

フォロワーシップの時代 ― 誰かがやる、はもう終わりにしよう

「最近の若手は覇気がない」

「上司に言っても変わらない」

「どうせ頑張っても報われない」

今、日本の多くの職場で聞かれる言葉だ。

だが、これは個人の問題ではない。

時代の構造が変わったのに、組織の在り方が変わっていない──

その歪みが現場の無気力を生んでいる。

経営環境は激変し、誰もが正解を持たない時代。

にもかかわらず、多くの会社はいまだに「上司が決め、部下が従う」という旧来の構造にしがみついている。

リーダーが全責任を背負い、フォロワーは“やらされる側”として存在する。

だが、その構図では、もう現代のスピードに追いつけない。

必要なのは「強いリーダー」ではなく、チーム全員が“動かす側”になる文化だ。

その核こそが――フォロワーシップである。

■ フォロワーシップとは、「自ら動く支える力」

フォロワーシップとは、リーダーの指示に従うことではない。

むしろ、「目的に共に向かうために、支える・補う・動かす」こと。

つまり、支援的な能動性である。

現場で起きている小さな不具合を誰かのせいにせず、

「自分にできることはないか」と考える人。

上司が見落としている点を静かに補い、

仲間同士の誤解をつなぎ直す人。

そうした一人ひとりの存在が、今の社会を変えていく。

フォロワーとは、命令を待つ人ではなく、

チームのエンジンを内側から動かす“もう一人のリーダー”だ。

■ 上司も限界、若手も疲弊――「孤独なリーダー社会」

多くの上司がこう漏らす。

「部下がついてこない」「指示しても動かない」

一方で若手は言う。

「何をしても評価されない」「自分の意見なんて通らない」

このすれ違いは、世代間の価値観の差だけではない。

組織の構造そのものが“片翼飛行”になっているのだ。

リーダーシップばかりが重視され、フォロワーシップの教育は置き去り。

結果として、リーダーは孤独に燃え尽き、フォロワーは冷めていく。

Gallup社の調査(2022年)では、

日本のエンゲージメント率はわずか6%。

つまり、94%の人が「心から仕事に熱中していない」。

この現実を変えるには、

「支配と従属の構造」から「共鳴と貢献の文化」へ、

社会全体の意識をシフトさせる必要がある。

■ JTBA流(齋藤流):フォロワーシップを育てる3つの壁

フォロワーシップは、自然には育たない。

教育が必要だ。経験が必要だ。対話が必要だ。

JTBAでは、それを3つの壁で体系化している。

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齋藤 秀樹

株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事

富士通、SIベンダー等において人事・人材開発部門の担当および人材開発部門責任者、事業会社の経営企画部門、KPMGコンサルティングの人事コンサルタントを経て、人材/組織開発コンサルタント。

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