時間管理というと、短い時間の中でより多くのアウトプットを出すことといわれるのが一般的ですが、問題はそのアウトプットの内容です。 大量のアウトプットを生み出しても、誰も買わないものをどれだけつくったところで、それは生産性が上がったということはできません。たとえ、自分では一所懸命につくり、成果に満足したとしても、誰の評価も受けず、価値として認められなければ、残念ながら生産性が高いということはできないのです。
対象者の価値と自分自身が求める価値がまったく合わないとき、そこに望まれる成果が生まれることはなく、お互いの耐え難いストレスを生むばかりです。
多くの人はこれまでの多くの経験から、自分の仕事に対して、よくよく考えられた価値観を持っているはずです。その価値観に対してまったく異なる成果(価値)を求められ、納得できないまま仕事をするとき、大きなストレスが生まれます。
ところが残念なことに、自分の価値観を明確に語ることができる人は少なく、なんとなくの感覚は持っていますが、明文化している人は多くないのが現実です。自分の目指す方向に合った行動をとっていくためにも、自分自身の価値観をはっきりとわかっておくことが何よりも大切なことです。
自分の価値観を把握するためには、次の問に対する答えを見える化、明文化しておく必要があります。
・仕事をしていくにあたって、絶対に守らなければならない指針は何か
・仕事をしていくにあたって、これだけはやるべきではないと思うことは何か
・自分が心からやりたいと思うこと、成し遂げたいと思うことは何か
・大切にしたい人は誰か、これから誰のために尽くすべきか
・自分の価値を提供するにふさわしい人は誰か、また、それはなぜか
このような問いに対してすぐに答えることができれば、あなたの価値観は明確になっているといえるでしょう。
そして、対象者が求める価値と自分の価値観を照らし合わせ、重なる部分、あるいは、お互いの価値を包括する、より大きな価値を見つけ出します。ここが、ストレスなく、情熱をもって活動できる、もっとも大きな要素となります。
これから行っていく活動、言動が、見出した価値に結び付いていれば、「この活動を続けていいのだろうか」といった不安は少なくなるでしょう。
前述したように、求められる価値は変化し、自分自身の価値観も、自身の成長や環境変化によって変わってくるものです。定期的に見出すべき価値を振り返り、確認しながら、日々の活動を計画していきましょう。
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2009.10.27
2010.03.20