営業職といえば、何をイメージされますか・ 必死にお客様のところに通い、注文を取る姿でしょうか。あるいは、さっそうとプロジェクターの前でプレゼンテーションを披露する姿でしょうか。 営業職に求められる役割、コンピテンシーも時代とともに大きく変化してきました。また、業種や立場、仕事の内容によっても異なります。私は、営業は進化していくものだと考えています。通い詰めて注文を取ることも立派な営業の役割ですが、本来の営業の役割を考えれば、さらに、大きな成果を創り出すことはできるはずです。
営業職といえば、何をイメージされますか
必死にお客様のところに通い、注文を取る姿でしょうか。あるいは、さっそうとプロジェクターの前でプレゼンテーションを披露する姿でしょうか。
営業職に求められる役割、コンピテンシーも時代とともに大きく変化してきました。また、業種や立場、仕事の内容によっても異なります。私は、営業は進化していくものだと考えています。通い詰めて注文を取ることも立派な営業の役割ですが、本来の営業の役割を考えれば、さらに、大きな成果を創り出すことはできるはずです。
営業職の4段階の進化
営業職の進化は、4つの段階があると思っています。
下図がその進化のステップを表しています。
まず、営業1.0は、「御用聞き営業」です。営業としての基本とも言えます。
これは、サザエさんに出てくる三河屋の三郎さんの、「お醤油がそろそろなくなりそうだから、1本置いていきますね」と、お客様のニーズを先回りして聞くスタイルです。三郎さんはいつも家の中を見ているので、何がなくなっているかすぐにわかります。御用聞き営業のその心は、「顧客のニーズを的確に捉える」「顧客を知り尽くす」という点から考えれば、ある意味理想的な営業スタイルとも言えます。営業1.0とは、「御用聞き」を確実にやりきる営業スタイルです。実は、この営業1.0に届いていない営業職も多くいます。
営業2.0は「KDN」と呼ばれる「根性・努力・浪花節」による営業スタイルです。いわゆる昭和時代の営業スタイルというイメージを持つ人も多いかもしれません。
営業にとって、ノルマは大きな意味を持つ数字です。このノルマという言葉はロシア語で、もともとは「標準」や「基準」を意味していましたが、次第に「個人や集団に課される絶対必達目標」のような強制的なニュアンスを持つようになりました。私が若い頃は、「目標達成は義務だ。税金だと思え」と言われたこともありました。営業2.0はいわゆる昭和の営業スタイルで、バブルから平成の手前あたりまで続きました。
現代に継承すべきKDNのイズムが一つあります。それは、「営業は気高いしつこさを持て」です。バブル創成期は「24時間働けますか?」という時代でした。営業も根性が座っていて、1回や2回では心が折れず、諦めなかったのです。
「しつこさを持て」というのは、精神論で言っているわけではありません。例えば、地中に油田が走っていて、ボーリングを打つとします。油田に当たる前に途中で打つのを止めてしまった人は、当然採掘できません。一方、粘り強く打ち続けて油田に当たる人もいます。その人は気高いしつこさを持っていて、諦めなかったから掘り当てることができた。つまり裏を返せば、ほとんどの失注は勝手に諦めているだけということです。このチャンスロスは莫大です。「諦めない」という思いは、すべての営業に持ってほしい価値観です。
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2015.07.10
2009.02.10
ハートアンドブレイン株式会社 代表取締役社長
1968年、千葉県生まれ。東海大学法学部卒業。 英国国立ウェールズ大学経営大学院(日本校)MBA。 新日本証券(現みずほ証券)入社後、日本未公開企業研究所主席研究員、米国プライベート・エクイティ・ファンドのジェネラルパートナーであるウエストスフィア・パシフィック社東京事務所ジェネラルマネジャーを経て、現職。
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