「質(LTVの高さ)」と「量(件数)」のバランスを最適化するバランスベースドマーケティングの概要
質重視ばかりしていると業績への影響が大きくなる
さらに、質重視ばかりしていると、ICP該当顧客に業績を左右されてしまうことになる。ICP該当顧客は数が少ないため、万が一、競合に流出してしまうと、業績に与えるダメージが非常に大きい。事業を安定させる、経営を安定させるという意味では、質ばかり狙うのではなく、量も狙い続ける必要があるのだ。
このように、BtoBマーケティングでは、量と質の問題が発生しており、これらを解決するマーケティング手法が必要になってきていると弊社では考えている。
質と量の問題を解消するBBM(バランスベースドマーケティング)とは?
BBMとは、Balance-Based Marketing(バランスベースドマーケティング)のことで、顧客(既存顧客)やリード(見込み客)の質(LTVの高さ)と量(件数)のバランスに焦点を当てたBtoBマーケティング手法だ。株式会社ALUHAが提唱している。ABM(アカウントベースドマーケティング)とLBM(リードベースドマーケティング)の中間に位置付き、以下表のような違いがある。
BBMの重要なKPI「ICP率」
BBMでは、質と量のバランスを可視化するため、ICP率というKPIを重視する。
そもそも、ICPとは、理想的な顧客像のことだ。理想的な顧客像とは、「自社事業と相性が良く、受注になれば高いLTVが期待できるリードや顧客のこと」である。「次の優良顧客の候補となるリードや顧客像」ともいえる。自社製品と相性がよいということなので、受注率、商談化率が高くなる可能性を秘めている。そして、受注になれば高いLTVが期待できるため、将来の優良顧客になる可能性を秘めている。それがICPである。
BBMでは、ICP数とICP率を以下のように可視化する。
ICP数とは、BtoBマーケティングの各種施策において、ICPに該当するリードや顧客の数を示す数値だ。例えば、上図の見込み客の獲得では、400件のリードを獲得しているが、そのうちICPに該当する数は150だったとなる。残りの250はICPに該当しないリードだ。ICP率は、ICPに該当したリードや顧客の割合のことで、質を数値化したKPIとなる。
このように可視化することで、量重視に偏っていないか、質重視に偏っていないか?を数値で判断できる。例えば、量重視に偏ると、ICP率が異常に低くなる傾向がある。その場合、予算達成のためには数を売らねばならなくなり、営業工数が増大する。逆にICP率が異常に高い場合は、質重視に偏っていることになり、ビジネスのスケールができない可能性がある。
BtoBマーケティング
2024.08.24
2024.09.12
2024.09.29
2024.11.19
2025.03.13
2025.04.06
2025.04.29
株式会社ALUHA 代表取締役社長
BtoBマーケティングコンサルティングを展開。大手IT企業、製造業を中心に、伴走型コンサルティングを展開中。リソースを効率的に活用し、最小限の工数で効果を最大化するコンサルが得意
