【3年で辞めた若者はどこへ行ったのか】アウトサイダーの時代

2008.04.16

ライフ・ソーシャル

【3年で辞めた若者はどこへ行ったのか】アウトサイダーの時代

伊藤 達夫
THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

【若者はなぜ3年で辞めるのか】の続編。今、どこの書店でもけっこう売れているようです。前著で昭和的価値観とそれに基づいたシステムの弊害、そこから外へ出る若者を描いた著者:城繁幸氏ですが、今回は、更に踏み込んで、昭和的価値観とそのシステムがもたらしている社会問題と、若者の中に芽生え始めている平成的価値観、を明らかにする試みとなっています。

 1つ1つの章で、いわゆる昭和的価値観から外へ出た人々をインタビューするという構成になっています。そして、著者のコラムもいくつか挟まっています。インタビュー対象の属性やお話しの内容から、「キャリア編」「独立編」「新世代編」に分かれていますね。

 こういう本の構成から、サマライズするのは難しいのですが、著者の言わんとすることを汲み取ってみると・・・

 現在、大企業の大半は、未だに昭和的価値観に支配され、終身雇用、年功序列というシステムをしいているが、このシステムは、マイナス成長、ゼロ成長を前提とすると、若者に負担を強いて、一部の中高年層だけが権益を得る、若者が中高年になった時のリターンは保障されえない、という非常にいびつなものである。

 そのひずみは、若者を既得権益を持つ中高年が搾取するという世代間格差、正規雇用者が、派遣社員/アルバイトなどの非正規雇用者を搾取する、正規/非正規格差、親会社が子会社/下請けを搾取する発注/下請け格差などの、格差を拡大させている。

 世代間格差は、若者が子供を作らない少子化の1因ともなっているし、正規/非正規格差、発注/下請け格差は、ワーキングプアを、生み出しているなど、昭和的価値観とそのシステムは社会問題の原因となっている。

 このシステムは改善されるべきなのだが、築くべき、新たなシステムのベースにある、「平成的価値観」とはなんだろうか?一言で言えば、「多様性を認める」価値観である。自分の人生に自分なりの目的を見出して、仕事をしていく。そのスタンスは一人一人違っていてしかるべきである。そこでの仕事は、昭和的に、「滅私奉公し、リターンは将来受け取るもの」ではなく、「やりたいことを頑張って成果はタイムリーに得る」べきものである。

 大企業は、すぐに今のシステムを手放し、200万人と言われるニート、フリーターや、今のシステムからドロップアウトして締め出された中高年、キャリアとして認めていない女性に対しても、門戸を開放し、やっている仕事に対して、正統な給与を支払うシステムをとるべきである。

 そして、労働者の側も、人生を賭けて自分のやりたいことを見出し、やっている仕事に対して正統な対価を求めるべきである。そして、業務経験をしっかりと積み重ね、できる仕事のレベルを上げていく、つまりしっかりとしたキャリアを形成することを目指していくべきである。

 ・・・ぐらいでしょうか。

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伊藤 達夫

THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。

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