【夢をかなえるゾウ】

2008.04.10

ライフ・ソーシャル

【夢をかなえるゾウ】

伊藤 達夫
THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

1億円プロジェクトの水野敬也氏の最新作。処女作「ウケる技術」はベストセラー。DVDの企画、構成を担当した「温厚な上司の怒らせ方」も、マニアからは絶賛されている。DVD「スカイフィッシュの捕まえ方」は私には理解できないエスプリだったが、快進撃を続ける彼が、「成功法則」をエンターテインメント化した本書は、SHIBUYA TSUTAYAの7Fのビジネス書部門で堂々1位となっていました!

 でも、おそらく、この本を読んでも変われない人がほとんどかもしれません。多くの成功法則本と同じように。

 ただ、この本での指摘ですごく正しいな、と思ったものとしては、

 成功法則がいきなり、内面の変化を求めていくのに対し、行動の変化によって、内面を変えていくアプローチが正しいと主張している点ですね。

 これは、まさに、今流行の「行動科学」で主張されていることですね。

 いきなり「内面を変えろ!、できないのは、モチベーションがないからだ!」と言われても困る、簡単にできることを提示すれば、人はできるんだ、というところです。

 心の内面は描写しにくいし、描写しても困るようなことが多いですよね。意識的な部分、無意識的な部分を含めて。だから、小さなアクションから変えていく、その行動が内面に作用する、というモデルのほうが人を変えていく上では強力だと思います。

 先日、ご紹介した、「地頭力を鍛える」では、行動を変えようとしても、行動だけに手をつけたら、すぐに元に戻ってしまう。思考回路自体を変えれば、全ての行動が変わる!という主張がありました。

 そりゃ、そうなのですが、思考回路自体を変えるのが、思考訓練で、それを変えれば、行動が変わるというアプローチには疑問を抱きました。

 コンサルティングファームのように、思考回路のプロトコルの通りに会話しないと、相手にされない場所に24時間近くいるのであれば、確かに、思考回路自体も矯正されやすいでしょうが、そんな空間は、コンサルティングファームの中だけです・・・。

 普通の空間で過ごす、普通の意思の力の人にとっては、思考回路を変えるためには、小さな習慣化できる行動を少しずつ加えていくアプローチ、この「夢をかなえるゾウ」で紹介されているアプローチのほうが、正しいと思います。

 本書はビジネスマンとして、うまくいくためのことが非常に上手に描かれていますので、ぜひ、ご一読を。

 言っていることは画期的な部分は少ないですが、伝え方、伝えるための舞台装置が非常に上手で、より多くの人に伝わるようになっている本だと思います。

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伊藤 達夫

THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。

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