大学オンライン授業、批判すべきはダメ講義

2020.12.09

組織・人材

大学オンライン授業、批判すべきはダメ講義

増沢 隆太
株式会社RMロンドンパートナーズ  東北大学特任教授/人事コンサルタント

猛威が収まらないコロナ蔓延の結果、今年度新入学した大学/大学院1年生の多くは、結局対面授業を受けられずに学年を終えることになりそうです。しかし「オンライン授業でかわいそう」「一刻も早く対面講義復活」という意見に反対します。

・大学授業の実際
大学生活のオンライン化は確かに気の毒だと思います。大学生活は授業だけにとどまらず、同級生や先輩後輩との交流など、さまざまな体験を得ることができる人生の貴重な機会です。しかし多くの大学ではオンライン化授業を恐らくこのまま年度いっぱい続けることでしょう。他の選択肢があるとも思えません。

それに対し、「オンライン授業なら通信教育と変わらない」「小中高が対面授業なのに、なぜ大学はやらない」「味気ないモニター越しの授業を一刻も早く止め、対面授業をすべき」という意見が圧倒的なように感じます。

あえて敵を作るようなことを書きますが、オンラインが悪で対面授業こそが正義なのでしょうか?

オンライン授業が万全でないのは当然ですし、単なる知識付与だけが大学授業の目的ではない以上、対面授業が望ましいことは言うまでもありません。しかしこのコロナ蔓延状況下で、たくさんの学生が一堂に会する大講義は現実的なのでしょうか?少人数制の授業やゼミなどなら問題ないのではという声もあります。

もう何が正しいやら、訳がわからない大学教育の現状です。

・論点整理
いろいろな価値観で、良かれと思っての意見であっても、このようなごちゃごちゃした視点のままでは何一つ生産的な議論や選択になりません。

オンライン授業が万能でないことは当然として、一方のコロナ対応としての選択肢に、オンライン以外があるのでしょうか?「対面授業が良い」は、大学という小中高と異なる学習環境や通学環境を考えれば、私は選択肢とは思いません。「コロナ対応が万全(に近い)対面授業をすべき」であれば選択肢となりますが、それってあるのでしょうか?

無い袖を振ろうとしても、それはただの精神論です。どんなにがんばっても竹やりでB29爆撃機と戦うことはできないのです。
またオンラインは不幸、対面は幸福となぜ言い切れるのでしょうか。

オンライン授業の問題点としては;
授業が一方的
課題ばかり出されて学生が疲弊(しかもフィードバックもない)
授業を受けるモチべーションが上がらない・孤独
パソコン操作やネット環境格差

など、挙げられていると思います。
あえて問いたいのは、それってオンライン授業の問題点なんですか?ということです。

・ダルい授業よりもチャット
私が大学生だった30年以上前の時代も、ダルい授業、くそつまらない昼寝授業、出席出すだけのため授業などがありました。
アルバイトばかりしていた私、しかも毎日夜勤バイトで仕事明けが午前8時という、そもそもまともに授業受ける気ないだろ的なダメ学生でしたので、とりあえず単位取れれば良い授業ばかり取っていたからかも知れませんが。(そういう時代だっただけ)

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増沢 隆太

株式会社RMロンドンパートナーズ  東北大学特任教授/人事コンサルタント

芸能人から政治家まで、話題の謝罪会見のたびにテレビや新聞で、謝罪の専門家と呼ばれコメントしていますが、実はコミュニケーション専門家であり、人と組織の課題に取組むコンサルタントで大学教授です。 謝罪に限らず、企業や団体組織のあらゆる危機管理や危機対応コミュニケーションについて語っていきます。特に最近はハラスメント研修や講演で、民間企業だけでなく巨大官公庁などまで、幅広く呼ばれています。 大学や企業でコミュニケーション、キャリアに関する講演や個人カウンセリングも行っています。

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