コロナ禍で、仕事をつくる人と仕事を処理する人、どちらもできない人の区分けがより分かりやすくなった

2020.07.29

経営・マネジメント

コロナ禍で、仕事をつくる人と仕事を処理する人、どちらもできない人の区分けがより分かりやすくなった

猪口 真
株式会社パトス 代表取締役

おっさん社員たちは、テレワークでは、自分を律すること(つまり、セルフマネジメントすること)ができないと言われ、会社に行かざるを得ないとまで言われる。若者は柔軟であり、仕事をするのに、場所も時間も選ばないけど、おっさんはこれまでの慣習をやめようとしない、おじさん労働者は悪だと。 果たしてそうなのか。

おじさん労働者が不利な状況に立たされている。相も変わらず、コロナ禍で働き方をどうするかばかりの論議が盛んなのだが、おっさんはテレワークを歓迎しないとか、若者はネットを駆使して、どこでも仕事ができるとか、「不要なおっさん労働者」があぶり出され、大量の中高年の大リストラが起こるだろうとまで言われている。

また、テレワークを認めない経営者は、この先生き延びることはできない、変化に対応できない経営者は退場すべきなど、頭が痛くなるご意見をいただくことも増えた。テレワークやリモートワークを推奨しても、なかなか言うことをきかない中間管理職のいる企業では、社員がいやいや出社しているという話もよく聞く。

そこで、おっさん社員たちは、テレワークでは、自分を律すること(つまり、セルフマネジメントすること)ができないと言われ、会社に行かざるを得ないとまで言われる。若者は柔軟であり、仕事をするのに、場所も時間も選ばないけど、おっさんはこれまでの慣習をやめようとしない、おじさん労働者は悪だと。

果たしてそうなのか。

このコロナ禍でテレワークをすることによって、まず問われるのは、確かにセルフマネジメント力だろう。ひとりだから、さぼっていても怒られるわけでもなく、自由だ。

そういう意味では、確かにセルフマネジメントなのだが、これは、もっともレベルの低いセルフマネジメント力だ。仕事をするかしないかのレベルということだ。

厳密にいえば、一般的な事務職、ルーティンワークをこなしている人たちには、セルフマネジメント力は、必要ないと言える。大半の人は、これまでずっと仕事の指示を受けてきたからだ。自分でマネジメントしなくても、上司や会社のシステムがマネジメントしてくれた。

そういう若い人たちは、仕事をするのが、職場であろうが自宅であろうが実はあまり関係ない。事務職であれば特にそうだ。ネットにつながるPCさえあれば、事務処理業務を行うだけであれば関係ない。今の営業職にしても、信頼関係さえまともなら、無理に訪問する必要は、さほどない。通勤電車に乗らなくていいのだから、これほどラッキーなことはないだろう。

確かに、残業代は減るかもしれないが、いやな上司の顔を見ずに済むのだからこれほどうれしいことはないだろう。しかも、結果にしても「在宅ですから」の言い訳も立つ。

ところが、おっさんに問われているセルフマネジメント力は、こういう話ではない。

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