ユーロ圏経済減速の見通し明確に!

2019.05.13

経営・マネジメント

ユーロ圏経済減速の見通し明確に!

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欧州とりわけユーロ圏の経済減速懸念が明確になりつつあるのではと観測が強まっています。 5月7日、欧州委員会(European Commission)はユーロ圏各国の経済見通しを発表しました。

経済見通し

ユーロ圏(広義28ヵ国)の今年のGDP(域内総生産)の成長率見通し1.2%となり、この数字は2月発表の数字1.3%から下方修正しています。
国別で色分けした下記の地図(出所:欧州委員会)は、濃い緑ほど経済見通しが悪く、反対に薄いほど経済見通しが良いことを示しています。色分けの成長率は地図左上の数字を参照してください。
この地図の中ではユーロ圏の中心に位置するドイツとイタリアの経済見通しが悪いことを示し、独は今年0.5%成長と2月1.1%から大きく下方修正しています。米トランプ大統領からの関税引き上げにより、ドイツ車に対して高い関税を課す方針の影響がこれから出てくるものと推測します。
そして対外的には、経済制裁を受けているロシアとの経済関係が弱くなってきている影響が出てきているのではと思われます。
独の4月製造業PMI:44.4と景気の分岐点である50を大きく下回り、また4月IFO景況感指数も99.2とこちらも景気の分岐点100を下回っています。
ユーロ圏経済で最大経済国の景気見通しが悪くなってきており、これがユーロ圏全体の経済見通しの心理的悪化につながってきているのではと推測します。

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更に悪化見通しの国はイタリアで、今年0.1%と二月の0.2%から下方修正し、そして財政赤字に対するGDP比率が3.5%に上昇すると予想しています。これは、EUへの加盟要件である財政比率の上限である3.0%を上回ってくるという予想です。
現在のコンテ政権は、その経済見通しで成長率0.2%、財政赤字比率2.4%と発表しており、欧州委員会の見通しとは乖離があると言えます。
ポピュリズム政党の色彩が強いコンテ政権は今後19年の予算を巡って欧州委員会と激しく対立するのではと予想されますが、ポピュリズム政党は財政拡張政策を志向する傾向があり、このような方針を急転換するとは思えません。
そのために、コンテ政権は資金援助を受けるためにどうしても中国に向かう必要があり、EU首脳はそんな姿勢に牽制球を放つことになります。袋小路のコンテ政権と言えます。

ドイツ、イタリアを取り巻く国々

ドイツ、イタリアを取り巻くフランス、ベルギー、オランダといった国々は、それよりも薄い緑と1%以上の経済成長見通しとなっています。
観光大国のフランスは、一昨年のテロ事件の後遺症が次第に癒え今年は観光業も好調に推移していますが、製造業に弱点があるようです。

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