いま世界中の観光地が直面する「オーバーツーリズム」の危機《Part.2》

2019.03.25

ライフ・ソーシャル

いま世界中の観光地が直面する「オーバーツーリズム」の危機《Part.2》

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世界的な「旅ブーム」が拡大する近年、インバウンドが急増する国内外の観光地では、増えすぎた観光客によってさまざまな弊害が生じる「オーバーツーリズム」問題が深刻化している。 前回の「いま世界中の観光地が直面するオーバーツーリズムの危機《Part.1》」では、オーバーツーリズムの危機的状況に瀕する海外の人気観光地の事例を取り上げたが、もはやこれは対岸の火事ではない。 今回の《Part2.》では、日本の観光地にも広がりつつあるオーバーツーリズム問題の事例とともに、持続可能な観光産業のあり方について考察する。

【季節の分散】
京都は桜の春、紅葉の秋が混雑のピーク。このピーク以外の季節に、観光客を呼び込もうというアイデアが「青もみじ」だ。市では「初夏の爽やかな青もみじ」を積極的にアピールし、市内の寺社とも連携してSNSでの写真拡散につながる取り組みを推進。いまや「京都・青もみじ」と検索すれば、インスタ映えする青いもみじの風景がずらりと並び、認知度も徐々に上がってきているという。

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京都「瑠璃光院」の青もみじ

観光を持続可能な産業に「成熟」させるために……

こうした国内観光地の取り組みとともに国も動き始めている。観光庁は2018年6月に「持続可能な観光推進本部」を新設。「訪日客のニーズと地域住民の生活環境の調和」「観光と地域の共存・共生」「総合的な対応策の検討・推進」を目的として、オーバーツーリズム問題への取り組みを進めていく方針だ。

また、国連世界観光機関も2018年9月にオーバーツーリズム問題への提言書を発表。京都と同じく「時間・場所の分散化」や「混雑時のう回路など、インフラを整える街づくりの改善」といった具体的な対策を挙げ、問題解決への指針として提示している。

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観光は国や地域の発展に欠かせない重要な要素であり、日本にとっても主軸産業としての重要度がますます高まりつつある。そうした中、歓迎すべきインバウンドを観光公害の因子にしないためには、これまでのような産業の「拡大」ではなく「成熟」がキーワードとなってくるのではないだろうか。
訪れる人と迎える人がWIN-WINの関係をいかに築き、観光を持続可能な産業に成熟させていくか……。その取り組みはまだ始まったばかりだが、少しずつ動き始めていることは確かだ。そして、その土地を訪れる観光客も、地元の人たちの生活や文化を尊重し、貴重な文化財や環境を守ろうという姿勢をもつことが、これまで以上に重要となってくるだろう。

※参考資料・サイト/NHK NEWS WEB、日本経済新聞

≪記事作成ライター:菱沼真理奈≫
20年以上にわたり、企業・商品広告のコピーや、女性誌・ビジネス誌・各種サイトなどの記事を執筆。長年の取材・ライティング経験から、金融・教育・社会経済・医療介護・グルメ・カルチャー・ファッション関連まで、幅広くオールマイティに対応。 好きな言葉は「ありがとう」。


前回の記事はこちら⇒「いま世界中の観光地が直面するオーバーツーリズムの危機《Part.1》」

【記事元】
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