毎月勤労統計。不適切調査による追加支払いが、567億円に!

2019.02.06

ライフ・ソーシャル

毎月勤労統計。不適切調査による追加支払いが、567億円に!

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南青山リーダーズ株式会社

2018(平成30)年12月28日の新聞紙面に「勤労統計で調査ミス」の記事が掲載された。 従業員500人以上の事業所はすべて調査する必要があるにもかかわらず、東京都では3分の1程度しか調べていなかったというものだ。年金、マイナンバーと不祥事が続く厚生労働省(以下、厚労省)のさらなる不祥事であり、単なるミスではなく、雇用保険や労災保険の支給額にも影響するとなると他人事ではない。 さらに、調査結果は国内総生産(GDP)で物価の動きを示す「GDPデフレーター」でも使われている。重要な統計に影響が出る恐れもある。 なぜこうした不適切な調査が行われたのか、それが私たちの生活にどうかかわるのか、確認しておこう。

疑問が残る、検証結果の中間報告

2019(平成31)年1月22日、厚労省は外部の特別監査委員会による検証結果の中間報告書を発表した。

担当部署の課長級職員らが間違ったやり方だと知りながら(漫然と)前例を踏襲し、部長級や局長級の職員は実態の適切な把握を怠っていたとして、ガバナンスの欠如があったと報告。組織的な関係や隠ぺいについては認められなかったとしている。

厚労省はこれを受け、同日、根本厚労相以下計22人の処分を発表した。しかし、昨(2018)年1月に誰の指示で本来の調査方法に近づける補正がされていたのかなど、多くの疑問は残ったままである。未払いの給付金が支払われるのは当然であり、これで問題が解決されたことにはならない。

─ 今後の厚労省の対応には、各方面から多大なる注目を浴びることであり、筆者としても注視していきたい。

参考URL:
雇用保険、労災保険等の追加給付について 厚生労働省報道発表(平成31年1月11日)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_03208.html
毎月勤労統計調査を巡る不適切な取扱いに係る事実関係とその評価等に関する報告書について
厚生労働省報道発表(平成31年1月22日)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_03321.html

≪記事作成ライター:山本義彦≫
東京在住。航空会社を定年退職後、介護福祉士の資格を取得。現在は社会福祉法人にて障がい者支援の仕事に携わる。29年に及ぶクラシック音楽の評論活動に加え、近年は社会問題に関する執筆も行う。

【記事元】
日本クラウド証券株式会社 https://crowdbank.jp
日本クラウド証券メディア マネセツ https://manesetsu.jp

【転載元】
リーダーズオンライン(専門家による経営者のための情報サイト)
https://leaders-online.jp/

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