10日で100億円還元を果たした、PayPayキャンペーン騒動の顛末

2019.01.07

IT・WEB

10日で100億円還元を果たした、PayPayキャンペーン騒動の顛末

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南青山リーダーズ株式会社

PayPay(ペイペイ)……。まるでパンダの名前のようなキーワードが、初冬の街に旋風を巻き起こした。 それは、ソフトバンクとヤフーが共同で設立した、スマホによる決済システムの新会社PayPayの大型還元キャンペーンだ。当初は4ヵ月にわたる予定のものだったが、わずか10日で終了となってしまったこのキャンペーン。いったい何が起こっていたのか……、今回はその顛末をのぞいてみよう。

スマホのアプリを使った、現金不要の決済システム

PayPay(ペイペイ)なんて、誰もが数ヵ月前まで聞いたこともない会社だった。それもそのはずPayPayは、ソフトバンクとヤフーが2018年10月に共同で立ち上げた、できたてホヤホヤの新会社だ。同社では店頭で現金を使うことなく、スマホアプリによって代金を決済するサービスを提供している。

使い方は簡単(仕組みは図を参照)。
●まずはPayPayのアプリをスマホにダウンロード
●個人情報の登録を済ませる
●銀行口座を使って「PayPay残高」にあらかじめ必要な金額をチャージ(クレジットカード登録も可能)
●お店でほしいものが見つかったら、レジでQRコードかバーコードを使って決済
●その後、決済額が引き落とされる

今なら新規登録するだけで、「PayPay残高」には500円相当がプレゼントされるので、とりあえず登録しておくだけでもお得ではあるし、ファミリーマートなどの加盟店で残高まで無料の買い物ができる。また、買い物をするたびに支払った金額の0.5%が、毎回ボーナスとしてポイント還元されるため、その値引き分を次の買い物に生かすこともできる。

後発が打ち上げた「100億円あげちゃう」キャンペーン


QRコードの決済じたいは、実は新しくはない。すでに「AmazonPay」「LINEPay」「楽天ペイ」「OrigamiPay」などが先行し、市場は日々拡大している。

世界から圧倒的に立ち遅れているといわれる買い物のキャシュレス化を、官民一体となって推進しようとする当局の積極的な政策もあいまって、市場規模は2018年の1000億円から、2023年には8兆円にまで拡がると予想されている。ソフトバンクの2018年秋の立ち上げは、むしろ後発といっていい。

すでに乱立気味の市場に割って入るためには、まず社名を知ってもらわなければならない。つまり、認知度を上げるための仕掛けが必要で、それが今回打ち出した「100億円あげちゃう」キャンペーン。豊富な資金力をもつソフトバンクとヤフーだからこそできる、大がかりなデモンストレーションだ。

ご存じの方も多いと思うが、PayPayを使って買い物をすると購入金額の20%相当が還元される。還元額は月額5万円までなので、最高で25万円までの買い物ならかなりお得だ。また、抽選で当たれば10万円までの買い物で決済した金額が「全額戻ってくる」というボーナス還元も組み合わせた。期間は2019年の3月31日まで。

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