CVCと事業継承問題

画像: Ivan Narmanev

2018.11.27

経営・マネジメント

CVCと事業継承問題

野町 直弘
株式会社クニエ プリンシパル

CVCがブームとのことですが、所謂ユニコーンに対する投資だけすればよいのでしょうか? 多くの企業にとってこれから事業継承問題などの問題からサプライチェーンの強固化が課題になっています。このような環境下CVCによる中小サプライヤに対する事業投資が盛り上がってくるでしょう。

前回CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)のブームについてふれました。 彼らは次世代のユニコーン企業を探し出して投資をしようとしています。ユニコーン企業とは、「創業10年以内」「評価額10億ドル以上」「未上場」「テクノロジー企業」といった4つの条件を兼ね備えた企業を指すものです。ユニコーン企業とはベンチャーキャピタルを始めとする投資家からユニコーンのようにまれで、巨額の利益をもたらす可能性のある企業というのがいう名前の由来になっています。

果たしてユニコーン企業への投資だけでよいでしょうか。

話は変わりますが、先日日経新聞でも取り上げられましたが、昨年7月に中小企業庁から「中小企業の事業承継に関する 集中実施期間について」という施策が出されました。これは中小企業の後継者問題に対する施策ですが、内容を見ますとかなりシリアスな内容になっています。

レポートによりますと1995年から2015年の20年間に中小企業の経営者年齢の山(ピーク)は47歳から66歳へ19歳も異動しているとのこと。これは団塊経営者そのものの世代のようです。また2015年~2020年までに約30.6万人の中小企業経営者が新たに70歳に達すると言われています。
2015年時点で60歳以上の経営者のうち、50%超が廃業を予定しており、特に個人事業者においては、約7割が「自分の代で事業をやめるつもりである」と回答しているとのことです。

中小企業庁はこれに対し補助金や優遇税制制度の立上げや中小企業のM&Aマーケットの整備をしようとしていますが、決めてとなるソリューションには思えません。

経済予測の中でも人口や年齢構成などのコーホートの予測はフローの積み重ねであり比較的予測はあたりやすいものです。新規開業、廃業はあるものの年齢の山が20年間で19歳ずれているということは団塊経営者が20年間続けて(今も)社長をやり続けているという証拠です。しかしこれらの社長が70歳を超えても事業を続けるかと言うと、半数は廃業する見込みとなっているのです。
こうやって考えると根幹的な問題であることが理解できるでしょう。業種別の詳細の状況は不明ですが、おそらく製造業が主要な対象であると思われます。

多くの大手企業は今サプライヤの供給力不足に悩んでいます。如何に買い手を向いてもらうか。これが最大の悩みです。団塊経営者世代の中小企業が廃業を続けていけば大手企業を支える調達基盤はなくなってしまいます。

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野町 直弘

株式会社クニエ プリンシパル

NTTデータグループのコンサルティング会社である株式会社クニエの調達購買改革コンサルタント。 調達・購買分野に特化したコンサルティングを提供している株式会社アジルアソシエイツの元代表。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルがサービス提供を行います。

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