仕事と自己のマッチング問題~どの次元での整合・不整合なのか

画像: Marco Verch

2018.11.07

組織・人材

仕事と自己のマッチング問題~どの次元での整合・不整合なのか

村山 昇
キャリア・ポートレート コンサルティング 代表

仕事と自己のマッチング問題には次元があります。1つには、年収や労働条件など外形的なものがマッチするかどうかという「モノ」次元。もう1つは、能力的な観点でマッチするかの「コト」次元。そして最深部には「ココロ」次元での整合/不整合があります。これは「在り方」の問題です。

人的資源管理の世界でしばしば目にするのが、ミスマッチ[mismatch=不整合、不一致]という言葉です。「人材の需要と供給がミスマッチ状態にある」「本人の能力適性と配属がミスマッチを起こしていて、モチベーションを下げている」などのように使われます。

個人のキャリアにとって、仕事と自己のマッチング(整合性/一致する具合)はとても大きな問題です。ただ、仕事と自己のマッチングと言っても、そこには次元の違いによっていくつかの整合/不整合があります。そこに注意深く目線を入れなければ根本的な解決は見えてきません。本記事では、筆者の経験を材料にしながら、その点を考えていきます。

◆「どんな創造に喜びを感じるか」が歳とともに変わっていった

下の図は、私が行う研修事業で使用している「8つの創造性ジャンル」のチャートです。


私が20代~30代半ばのころ、自分が喜びと感じる創造性ジャンルは主に「戦略的」「ゲーム的」「技工的」でした。メーカーで商品開発や出版社でコンテンツ開発の業務に携わり、まさにどう商品を戦略的に練って競合他社に勝っていくか、また、遊び感覚を取り入れた発想でどう奇抜なアイデアを起こすか、そしてそれを最新の技術でどう効果的に仕上げていくか、日々の業務はそうした創造性を楽しみながらやれるものでした。そして当然、組織が私に求める創造性も「戦略的」「技工的」なもので、双方はうまくマッチしていました(下図)。


ところが状況が変わってくるのが30代後半以降です。歳とともに創造性の志向が変わってきたのです。

若いころに喜びを感じていた「戦略的」「技工的」な創造には関心が薄くなっていくのが自覚できました。私はいくつかの大企業で勤務しましたが、おおよそどこも競合との競争に明け暮れ、戦略や戦術、交渉や駆け引き、コストダウンやらスピード化・合理化、そのためのエンジニアリングやシステムづくりといったことへの創造性発揮を強く求めてきます。それ自体悪いことでもなんでもなく、むしろ当然不可欠なことなのですが、私の内側にあるものはそれを遠ざけはじめたのです。

当時、趣味でキャンプや登山、農作業をやり始めたこととも重なります。そこでは、無駄や非効率的、ローテクなことがかえって面白みのある活動なのでした。単線的に上昇することだけを是とするビジネス現場の価値観に少し距離を置いてながめられるようになったからともいえます。

「もっと何か本質的なことを追求したい」「そしてその本質的なことを自分なりの表現で形にしてみたい」……自分の内にむくむくと膨らみはじめた欲求を満たすために、会社員としての本業とは別のところで、哲学的な記事を書いたり、情報の視覚化の勉強会を開いたりしました。「研究的」「芸術的」な創造活動が自分に深い喜び与えることを実感しました。

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村山 昇

キャリア・ポートレート コンサルティング 代表

人財教育コンサルタント・概念工作家。 『プロフェッショナルシップ研修』(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)はじめ「コンセプチュアル思考研修」、管理職研修、キャリア開発研修などのジャンルで企業内研修を行なう。「働くこと・仕事」の本質をつかむ哲学的なアプローチを志向している。

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