ロジカルシンキングを越えて:10.「仮説作りたい、論点切りたい病」とその処方箋

画像: ぱくたそ

2018.09.14

経営・マネジメント

ロジカルシンキングを越えて:10.「仮説作りたい、論点切りたい病」とその処方箋

伊藤 達夫
THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

ロジカルシンキングブームが去ってから長いものの、ビジネスプランニングにおけるロジカルシンキングには大いなる誤解や形式に偏った理解がよく見られます。ビジネスプランニングにおけるロジカルシンキングとは何なのか?何でないのか?誤解や偏った理解を含めて概観しつつ本当に使えるやり方を明らかにしていきます。

どうも、「悪しき就職活動」の洗礼を受けている人が2000年ぐらいの就職氷河期以降に多いからなのか、「価値観」という言葉を間違ってとらえている人が多いのです。子供向けの教材にもしっかり書いてあるのですけどね。それが就活生になると、なぜか間違った定義を受け入れてしまう。

どういうことか解説していきます。

まず、価値観とは何か?と言えば、「ある人の大事な物事とその順序」です。

それで、価値観は人によって違います。当たり前ですね。価値観が同じ人はあまりいないでしょう。

それで、その大事なものによって、見えている世界が違いますね。バレエを真剣にならっている人が、とある町を歩いたら、バレエショップが目に入ってきますよね。でも、普通の人にとっては、バレエショップなんて目に入らない。せいぜい、自分に関係あるものに見間違えることでしか、バレエショップを知る機会なんてないです。

Twitterでの空目の例を前の章で出しましたが、人は、自分の大事なもの、関心があるものに関係するという目線で世界を見ている。従って、Twitterでは空目が多発する。もう一度書きましょう。

・「待つよ」を「侍つよ!」に空目。

・「動け!」を「働け!」に空目した・・・。

・「ボカロクラスタ」を「ボロカスクラスタ」に空目してしまった。

・「ブブゼラ」を「ブルセラ」に空目した。死にたい・・・。

・「ソムリエ」を「ソニエリ(ソニーエリクソン)」に空目した。あるある。

そうするとね、自分の価値観で我田引水するような仮説を自分が作ってしまうこともわかりますよね?

朝早く会社に来ることが大事だと思っていない限り、朝早く会社に来たりしないし、朝早く会社に来る人の給料を上げようなんて主張はしないですよね?

英語が大事だと思っていない限り、TOEICのテストをわざわざ受けて高得点を取ったりしないし、TOEICの点数が高い人の給料を上げようなんて主張はしないですよね?

いいでしょうか?自分の価値観で世界を見ていると、自然と自分が大事だと思っていることを中心に物事を見てしまっているわけです。

それでね、ここが大事なのですが、価値観を変えられないと思っていたら、救いはないわけです。しかし、価値観はいくらでも変えられます。繰り返しますが、子供向けの教材にすら書いてあります。「経験を通して価値観が変化すること、大事だと思う物事が変化していくことを成長という」と。

これは先ほど悪しき就職活動でひっくり返ると言っていたことです。就職活動をすると突然、自分の価値観に合った仕事がある、適職があると言い出したりします。特に2000年あたりの就職氷河期以降に目立つようになってきた考え方だと思います。でも、違いますよね。

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伊藤 達夫

THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。

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