データには限界がある。赤字の路線バス事業を救った「お客さんの創り方」

2018.07.31

経営・マネジメント

データには限界がある。赤字の路線バス事業を救った「お客さんの創り方」

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南青山リーダーズ株式会社

文化放送「The News Masters TOKYO」のマスターズインタビュー。 パーソナリティのタケ小山が今回お迎えするのは、イーグルバス社長の谷島賢さん。 路線バス業界は国内の約4000社のうち7割が赤字を抱え、業界としては縮小の一途をたどっている中、イーグルバスは利用者を年々増やしています。

「路線バス」と「観光バス」事業は違った

赤字路線バス事業を引き継いだ当時の状況について谷島氏は、「地域で交通空白地帯が発生するのは、10年前ではショッキングなことでした」さらに、「観光バス、送迎バスでこれまで実績を出してきたため、路線バス事業も中小規模のコスト構造であれば同じようにできるのではないかという甘い考えでした」と当時を振り返る。

どんなに住民が少ない町でも、移動手段がなくなるというのは大問題である。

「解決の勝算はあったんですか?」とタケ。

それまで利益を出してきた観光バス、送迎バス事業と路線バス事業の違いについて谷島氏はこう説明する。

「観光バスや送迎バスはお客様との相対契約なので必ず利益が取れます。観光バスと送迎バスの1年間の稼働率は7割くらい。そのため運転手もバスも休ませることができます。しかし、路線バスの場合、年間365日、朝から晩まで運行しないといけません。バス1台あたり、運転手1人では足りず、高いコストである反面、どれだけ収入があるかもわからない」

同じバス事業だからと引き受けてみたものの、実際は抱える問題が全く違ったのだ。

タケは、「どうやったらいいという青写真は出来上がったのですか?」と問う。

当時直面した課題について谷島氏はこう語った。

「どこから改善したらいいのかわからない、見えない事業でした。なぜ停留所がここに置かれているのかもわからない。置かれて30年間同じ場所にありますが、高度経済期、バブルの時代から、現在は少子高齢化という劇的環境変化があるのに停留所の場所が変わらないということは問題だと思いました」

確かに、バス停は何年経っても同じ場所にあるものというイメージは強い。

そこで谷島氏が求めたのが運行データだった。当時は今から約10年前の2006年。

今は当たり前のようにバスの位置情報はわかるようになっているが、その頃はデータを取るすべがなかったため、1から作ろうと始めたのだった。

バス会社が「客を創る」

イーグルバスの理念は「創客」「革新」「社会貢献」「お客様第一主義」「信用」の5つ。

一番最初の「創客」は「客を創る」と書くが、バス会社が「客を創る」とはどういうことなのか。

小江戸の町並みで有名な川越を観光バス事業で活性化させた谷島氏は、観光バス事業を始めた当時をこう振り返る。

「送迎バスから入って1980年に立ち上げました。私の父も観光、旅行をやっていたので、観光バスをやりたいと思っていましたが、昔は専売制で免許制度が難しかったんです。そのため、福祉の送迎バスから入っていきました」

その後、10年間の努力の末、1989年に念願の観光バスの免許を取得。

しかし、バブル崩壊で仕事が激減。そこで谷島氏が考えたのは地域を観光化するということ。

思い立った谷島氏は、1992年から「小江戸ばす」というバスツアーに挑戦した。その頃は周りにできないと言われた観光バス事業だったが、テレビCMを使ってたくさんのお客さんを集客することに成功。

さらに1995年には、一般の観光客のための巡回バスを始めた。それも、初めは観光客がまばらだったが、1997年にボンネットバスを導入すると、メディアで取り上げられ、見事会社の危機を乗り越えることができたという。

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