コールセンター進出で見えてくる「地方の品格」。

2008.02.24

営業・マーケティング

コールセンター進出で見えてくる「地方の品格」。

中村 修治
有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役

コールセンター企業の多くは地方へ拡大している。 地方の安い労働力を求めた結果だが・・・ それでいいのか。いいわけない気がする。 「地方の品格」って、そこにあるのだろうか・・・。

フロントオフィス=コールセンター需要は、ここ数年爆発的に増えた。
その動きに合わせて、コールセンター企業の地方への誘致は、
過疎地域の雇用を生んでいるという。

漁業がメインだった九州の離島に、
行政的な支援のもとにコールセンターが設置され、50名以上の雇用が生まれた。
そんな何かのドキュメント番組で見たのは、ついこの前。
働く人達は、島の漁業従事者。
漁業では食べていけないので、コールセンターで働くことにしたっ。
時給600円也っ。

電話ならどこでも取れる。
営業できる。
だったら、安い人件費のところが良い。
雇用不安の大きな地方に行けば、行政の支援も受けられるっ。
経済合理性を考えれば、大きな資本のコールセンター企業は、
地方に拠点を置きたくなるのは、ごもっともだっ。

・・・でも、ほんとに、これでいいのかっ。考えさせられるっ。

昨日まで漁業で汗水を垂らしていた若者が、
今日からネクタイをして、
何百本に一本かの成約をとるためにアウトコールをして・・・
彼は幸せなのかっ。
地域は、豊かになるのかっ。
日本は、どうだっ。
良くないのに、決まってるっ。

なぜなら、
生産するためにあった純粋な地方の労働が、
消費のためのコミュニケーションにとってかわって、
結果として、何が残るっ?空っぽだっ。ブラックホールは、拡がるだけだっ。
得をしているのは、局所的なタームで利益が生み出される企業だけだっ。

毎日の天候を見ながら、
朝早く起きて、
潮の流れを感知して、
大きな魚を釣り上げる。
そんなマネの出来ない付加価値を、
さらに、コミュニケーションという付加価値のフィルターを通じて、
お客様の利用価値へと転換してみせる。
そういうことが可能なコミュニケーションが、
みんなを幸せにしないでどうするっ。

長期的なタームで考えなくてはいけないコールセンターは、
コミュニケーションが大好きな人達が集まる、高付加価値型のものだっ。
そんなコールセンターを仲介して、
地方の産業の物語がお客様にちゃんと伝わる。
それが本来の姿。

コールセンターが地方のただの雇用の場になってしまったら、
数年後・・・地方は、さらに空っぽになるっ。荒むっ。
コミュニケーションビジネスの隆盛が、
地方の産業を衰退させる一助になっていたとしたら、それは、本末転倒だっ。
生き馬の目を抜くような価格競争をコールセンターに強いる企業は、
足下を見直した方がいいっ。

雇用対策っ。地方の産業復興っ。
まだまだ知恵を出せば、やるべきことがいっぱいある。
魚を捕るのが上手な職人に、
電話で人を釣りなさいっちゅうのは、
どういう積算をしてもプラスにはならないっ。
むしろマイナスだっ。

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中村 修治

有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役

昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。 その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。

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