社員は会社の仕組みを『間借り』している

画像: Jun OHWADA

2015.08.16

仕事術

社員は会社の仕組みを『間借り』している

泉本 行志
株式会社アウトブレイン 代表取締役

コンサルタントとしてクライアント企業の中に入り込んで仕事をしていると、 時々、その会社の社員の人たちが、いわゆるサラリーマン的な愚痴を言ってるのを耳にします。

今まで、こんな風に考えたことはありますか?

言い換えれば、勤めている会社あるいはバイト先のビジネスシステムの
一部を間借りして、金儲けをさせてもらっていたということになります。

(もちろん、これは経済的な側面だけの話をしています)

これは、たとえば、事業主がフランチャイズに加盟したり、
ネット上でいえば楽天などのショッピングモールに出店し、
既に構築された仕組みを借りて商売しているのと、
大きく言えば、本質は変わりません。

営業マンでも、オペレーターでも、デザイナーでも、なんであれ、
自分一人では、自分が提供できるものを、直接販売して
商売として成り立たすことが難しい。

だから、既に誰かが構築したビジネスのシステムの一端を借りて、
その利用料を控除された上で、給与という名目でお金を得ているのです。
もし自分の力だけで、自分が提供するものをもって商売できれば、
その人は独立してやっていけるということになります。

~ここまで引用~

最初に出てきたサラリーマン的愚痴をもう一度考えてみましょう。

「お客さんは俺に○○円払っているのに、うちの会社はどんだけピンハネしてるんだ!」

もし自分が独立して商売をした場合に、集客したり、ノウハウを蓄積したり、
ITシステムを準備したり・・・など、どれだけのお金と労力と時間を費やし、
どのくらいのリスクを負う必要があるでしょうか。

それを理解せず、単純に会社はボッたくってると被害者的な発想だけ
しているようでは、ビジネスマインドに欠陥があります。
これでは、永遠にサラリーマンとして組織に依存する生き方で終わるでしょう。

あるいは、

「あの人事部長はほとんど仕事してないくせに、給料泥棒だろう」

私が耳にしたこの愚痴のケース限定でいえば、
この人事部長の資産は圧倒的な人脈です。

通常だったら、なかなかよい人材が入ってこないような会社にも、
彼の人脈で、多くの優秀な人が入社しています。

会社は彼の「人脈」という資産にお金を払っているのです。
労働時間にではありません。

たとえ、オフィスにいるときはノラリクラリしていたとしても、
彼の存在が、潜在的な有能な社員を呼び寄せているのであれば、
それが価値を提供し、給料を貰うに値します。

それを人事部長の会社での仕事っぷりだけみて、
給料もらい過ぎだとか言っているのは、ビジネスマインドにかけています。

毎日遅くまでオフィスで仕事をして、あくせく働いていることに
価値があるというのは、典型的なサラリーマン発想です。

どうでしょうか。

あなたには、ビジネスマインドがありましたか?
サラリーマン的発想しかできてない人にとっては、
なかなか腑に落ちない話だったかもしれませんね。

会社(ビジネスシステム)の中で働く人の視点だけでなく、
ビジネスシステムを構築する側の別次元の視点をもつことは、
新しい価値を創造するプロジェクトで仕事をするような、
個人の能力で勝負するストリート・スマートな人にはとても重要です。

今日の話をもう一度熟考してみましょう。

そして、新しい視点を身につけてください。

続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。

Ads by Google

この記事が気に入ったらいいね!しよう
INSIGHT NOW!の最新記事をお届けします

泉本 行志

株式会社アウトブレイン 代表取締役

フォロー フォローして泉本 行志の新着記事を受け取る

一歩先を行く最新ビジネス記事を受け取る

ログイン

この機能をご利用いただくにはログインが必要です。

ご登録いただいたメールアドレス、パスワードを入力してログインしてください。

パスワードをお忘れの方

フェイスブックのアカウントでもログインできます。

INSIGHT NOW!のご利用規約プライバシーポリシーーが適用されます。
INSIGHT NOW!が無断でタイムラインに投稿することはありません。