最新のロボット(AI)が投資のアドバイスをするサービス「ロボットアドバイザー」が、若年層を中心に人気が広がっています。 3月24日の日経新聞電子版によると、この一年で国内大手4社によるロボアドバイザーの運用残高は約4倍も増え、総残高は1220億円(2月末)に達したと報道されています。とはいえ、ロボアドバイザーによる取り引きについては、分かったようで分からない方も多いよう。そこで今回は「ロボアドバイザー」の概要をご紹介しましょう。
資産配分から見直しまでを指南
投資を始めるときのセオリーは、数年前までは次の形態が一般的なものでした。
まずは、証券会社やファイナンシャルプランナーのアドバイスをもとに、ポートフォリオ(資産配分)を作成。その比率に沿って投資する株や債権を決めていく……。
しかし、ITによる金融のスピード化や、ローコスト化をうながすフィンテックの加速により、ネット証券などに自分の口座を開設し、自分で考えながら手軽に投資を行う人が急増。投資の間口は大きく広がりを見せはじめます。
一方、市場の値動きに振りまわされたり、利益を出すことに難しさを感じているユーザが増えているのも事実。こうした流れのなか、投資ビギナーの指南役として人気が高まっているのがロボットアドバイザーなのです。
ロボットアドバイザー = 通称「ロボアド」とは、ロボットとアドバイザーを掛け合わせた造語のことで、カンタンに言えば、これまで金融のプロに託していた難しい投資の判断をロボットに任せてしまおう……というもの。具体的には、証券会社などがフィンテック系の会社と(合同or提携)によって開発したアルゴリズムを使い、その投資家が株や債権などをどのような比率で持てば最善かを指南してくれたり、市場の動向に合わせた見直しをしてくれるようになったのです。
ロボアドが投げかける、質問の意図
前述したように ロボアドは統計学的な理論に基づき、買うべき金融商品の組み合わせを計算していきます。その場合、個人の資産状況、ライフプラン、年齢、リスクとリターンに対する考え方によって、どのような株や債権に投資するのか、その組み合わせや比率は当然変わってくることになります。
ロボアドは、年齢、年収、リスクに対する考え方、運用期間などパーソナルな質問をユーザに投げかけ、最適なポートフォリオを組むためのリスク許容度を診断していきます。当然ながら、ハイリターンを期待するならリスクを大きくとらなければなりませんが、仮に収益がマイナスに振れたときに生活に支障をきたしたり、精神的なダメージを被るようであれば、その人にとっては合っていないことになります。
自分のリスク許容度を見極めることはとても大事で、ロボアドの仕事は、ユーザごとのリスク許容度を診断し、最適な資産運用プランを見つけていくことになります。さらに現在、楽天証券などのネット証券をはじめ、野村證券、大和証券などの大手証券会社まで約20社が参入していますが、「Wealth Navi」のように米国上場ETFを対象に国際分散投資を行うものや、楽天証券の「楽ラップ」のように、おもに投資信託を対象に投資を行うものなど各社個性や特性が異なるので、それらの違いもしっかり見極めていく必要もあります。
次のページ投資一任型は、リバランス機能も
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
関連記事
2009.02.10
2015.01.26