どのように事業を展開し、軌道に乗せていくか――。創業間もない会社にとって、これより大切なことはないと言っても過言ではない。法人携帯や複合機の販売をはじめ、さまざまな分野で企業のコスト削減をサポートする株式会社グラシアスは、まさに創業期を乗り越え、次のフェーズに移ろうとしている企業だ。 2018年3月で6期目を迎えた同社は、これまでどんな道のりを歩んできたのか。設立者であり、現在代表取締役をつとめる松本崇氏に聞いてみた。 (聞き手・仙石実・公認会計士、税理士/構成・株式会社Tokyo Edit 大住奈保子)
事業計画も頭で考えるというよりは、“人”で決めています。グラシアスは大阪で立ち上げ、次に福岡に事業所をつくったのですが、それは立ち上げメンバーだった部下が結婚して福岡に行くことになったから。その次に東京に拠点をつくったのも、会社員時代の上司から紹介してもらったスタッフが東京に住んでいたからなんです。人とのつながりを大切にしていたら、いつの間にか拠点が増えていったという感じですね。
毎日の朝礼で神棚を拝む理由
(仙石)本当に人とのつながりを大切にしながら、ここまで来られたんですね。御社の社訓や経営理念のようなものは、おありでしょうか。
(松本)グラシアスの社訓は「感謝」です。営業会社では、契約獲得のためにオーバーなトークをしたり、契約の内容を正確に伝えなかったりということが横行しています。これはお客様との信頼関係を考えると、絶対にしてはいけないことです。
なぜそのようなことをしてしまうのかというと、やはり「契約を取りたい」という自分本位な考えがあるからだと思います。グラシアスではこのような自分本位な考え方を、本来あるべきお客様本位の考え方に戻せるよう、毎朝神棚を拝んで、社員全員で社訓を唱えています。
既存のお客様との信頼関係が築けていれば、新しい商材が出たときに追加でご契約いただけるという場面も増えてくると思うんです。グラシアスはそういう意味でも、アフターフォローを大切にしています。
訪問や電話でのご連絡はもちろん、携帯電話が故障したと聞けば、新しいものをプレゼントしたりもしています。ちょっとやりすぎかも、と感じることもありますが、お客様への感謝の気持ちをあらわすには、それくらいしてもいいと思っています。
(仙石)アフターフォローまでしっかりしてもらえると、お客様も安心できそうですね。
(松本)はい、お客様の満足度を少しでも高められるようがんばっています。もうひとつ大切にしているのが「継続」で、これは当社の行動方針にもなっています。どんなに優れたアイデアでも、続けなければ意味がない。とはいえ人間、怠け心が出てくることもあるものです。だから行動方針についても社員全員で唱えてから、朝礼をするようにしています。
グラシアスはまだ5期目の会社で、完全に軌道に乗っているとは言い切れない状態です。ここから事業を軌道に乗せるには、感謝の気持ちを忘れず、がんばり続けることしかないと思っています。社員を信じて、必ず成功するという強い思いを持つことが、何より大切なのではないでしょうか。
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