キャリア形成と人事部のパラダイムの関係(【連載5】新しい『日本的人事論』)

画像: tsuda

2018.04.07

組織・人材

キャリア形成と人事部のパラダイムの関係(【連載5】新しい『日本的人事論』)

川口 雅裕
NPO法人・老いの工学研究所 理事長

組織・人事に関わる全ての施策は、日本人の特性や自社の独自性への洞察なしには機能しない。それは、OSが違えば、アプリが動作しないのと同じである。欧米の真似でもない、うまくいっている会社の真似でもない、日本企業において本当に機能する組織・人事の考え方や施策について思索・指南する連載。

生活・人生の充実が、本当に仕事にフィードバックされるかどうかが疑わしいという人もいるだろうが、それは経営者を見てみれば明らかである。ほとんどの経営者は広く交流を持ち、自分の時間もしっかり確保し、多様な学びや気づきや情報を得ている。じっと会社に閉じこもって、黙々と作業をしているような人はいない。そして、そのような充実した生活の中で得たことが、明らかに仕事にフィードバックされている。経営者を見れば、バリューライフがあるからこそバリューワークが生まれるということがよく分るのである。これは何も経営者に限った話ではない。経営者が特別な人間であるという訳ではない。「バリューライフがあって、バリューワークが生まれる」というのは、誰にでも当てはまる原則である。付け加えれば、ワークライフバランスも「人生や生活を充実させることで、より価値の高い仕事がなされるようになる」と理解したほうがよい。

バリューワークを生み出し、バリューワーカーを多く育てていくために、人事部は「事業環境・事業計画に合わせて、組織と人材を最適化する」ことに加え、「従業員の人生の成功を支援する」ことを役割として認識すべきだ。それには「バリューライフがあって、バリューワークが生まれる」というパラダイムへの転換が求められる。

【つづく】

Ads by Google

この記事が気に入ったらいいね!しよう
INSIGHT NOW!の最新記事をお届けします

川口 雅裕

NPO法人・老いの工学研究所 理事長

「高齢社会、高齢期のライフスタイル」と「組織人事関連(組織開発・人材育成・人事マネジメント・働き方改革など」)をテーマとした講演を行っています。

フォロー フォローして川口 雅裕の新着記事を受け取る

一歩先を行く最新ビジネス記事を受け取る

ログイン

この機能をご利用いただくにはログインが必要です。

ご登録いただいたメールアドレス、パスワードを入力してログインしてください。

パスワードをお忘れの方

フェイスブックのアカウントでもログインできます。

INSIGHT NOW!のご利用規約プライバシーポリシーーが適用されます。
INSIGHT NOW!が無断でタイムラインに投稿することはありません。