モノからコトへの変換は、マーケティングからビジネスモデルへ

画像: RYOTA NAKANISHI A ONE-MAN ARMY RETURNS TO THE HELL

2018.03.10

営業・マーケティング

モノからコトへの変換は、マーケティングからビジネスモデルへ

猪口 真
株式会社パトス 代表取締役

このところ、IT業界だけではなく、サービス業、メーカーなどにも、このASPやSaaS的なサービスが急激に広がりを見せている。大手企業がこうした従量課金、コトの提供に動く中、本当に危機感を持って取り組まなければならないのは、中小企業だ。

まさに、設備というモノの提供から、在庫管理と出荷という本来の目的のみというコトのサービスへと切り替わろうとしている。

中小企業こそ、「コト」ビジネスを

大手企業がこうした従量課金、コトの提供に動く中、本当に危機感を持って取り組まなければならないのは、中小企業だ。中小企業ほど、このモノからコトへの転嫁を図らなければならない。

昨年発表された中小企業白書を見ても、マーケティングに関して人材不足、リソース不足が明らかで、大企業に対して真っ向勝負でいっても勝ち目はないだろう。

確かに、この従量課金の仕組みを採用すれば、必要最低限の量しか使わなくなるため、売り上げは減少するだろうし、また、これまでの従量課金のイメージは、中小企業にとってあまり印象の良いものではなかった。

たとえば、Webサイトの更新やメンテナンスなどの管理業務など、気がつけば、想定以上の業務量となり、従量性という安定した収入が、従業員の負荷の拡大になってしまうことが少なくなかった。

ただし、こうした従来型の従量課金のスキーム(定額サービス)は、単なる提供する労働力の安売りに過ぎず、提供側にメリットとなることはあまりない。

これから中小企業が取り組まなければならないことは、モノからコトへのビジネスモデルの転換という意味での従量課金スキームの採用だ。

IT化の話ではないが、ライザップにしても提供しているのは、最終的な結果だ。これまで多くのフィットネスクラブは、マシンやスタジオなどモノを提供してきたわけだが、「引き締まった健康的な体」というコトを提供している。

B2Bにおける中小企業の多くは、少ないクライアントに対してきめの細かいサービスを提供している。顧客の成功を図る指標の設定、IT化による測定、成果予測の正確性といった課題をお互いにアグリーすることができれば、定量制のサービスを提供することで、一時的な売り上げは減少するかもしれないが、そこに付随する保守やメンテナンス、あるいはコンサルティングの領域まで業務が広がる可能性もあり、単なるメーカーからサービス業への拡大につながる可能性を持っている。

ソリューションのクオリティが高く、顧客の成果が間違いなければ、むしろ歓迎すべきビジネスモデルになるに違いない。

中小企業が大企業に勝る大きな点は、意思決定の速さと柔軟さだ。AI、IoTによる技術革新によって、従来のビジネスモデルが変革を遂げようとしている今こそ、中小企業のチャンスというべきなのかもしれない。

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