「脱炭素」が握る投資マネー。日本企業は、果たしてこの流れに乗れるか?

2018.01.19

経営・マネジメント

「脱炭素」が握る投資マネー。日本企業は、果たしてこの流れに乗れるか?

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局地的豪雨、圧倒的規模のハリケーン、あらゆる生命体が生彩を失うひどい干ばつなど、世界中で異常気象が続き、深刻な問題となっています。 地球温暖化への警鐘はとどまるところを知らず、世界的レベルでCO2(二酸化炭素)など温室効果ガスの排出防止が求められています。 2015年の「気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)」で、2020年以降の温暖化対策の取り組みが「パリ協定」として採択されてから、2年が経過。フランス、カナダなどは石炭の火力発電を廃止し、アメリカのトランプ大統領はまさかの「パリ協定」脱退ながらも、アメリカを含む世界のビジネス界は「脱炭素」に向かっています。「脱炭素」への目標を掲げることが企業成長のカギを握り、巨額の投資マネーが動くからです。一方、日本へは厳しい見方が相次いでおり、日本企業がこの動きに乗って行けるのかが、危惧されている状況です。

「脱炭素」をめぐる動き

まず、「脱炭素」について確認しておきましょう。
地球温暖化の原因であるCO2などの温室効果ガス排出を防ぐために、石油や石炭などの化石燃料を使用しないことが「脱炭素」です。これまでも太陽光発電を利用したり、バイオマスエネルギーなどの再生可能エネルギーを使うことで、世界中で低炭素化が図られてきました。

日本政府は、2030年に温室効果ガス排出量を2013年度と比較して、26%削減することを目標としています。家庭を含めた社会全体での削減が必要とされ、「COOL CHOICE」運動を推進中。エコカー、省エネ住宅、省エネ家電などの低炭素型製品を選択することで、ライフスタイルの見なおしにもなると勧めています。

主な企業も温室効果ガス削減目標を掲げていますが、そのスピードや対応内容にはバラツキがあるのが実状です。2017年11月、ドイツで行われた「気候変動枠組条約第23回締約国会議(COP23)」において、火力発電を扱う日本企業への風当たりは強く、日本は「環境後進国」のレッテルを貼られてしまいました。日本企業は脱炭素社会の実現において、どう対応していけばよいのでしょうか。

注目される企業の温暖化対策

2014年より、環境NGO「世界自然保護基金(WWF)ジャパン」では、日本企業の業種ごとに温暖化対策ランキングを順位付けして発表。これは各企業が公開している環境報告書やCSR報告書などの情報に基づき、温暖化対策の実効性を評価するという試みです。
長期的なビジョン、削減量の単位、省エネルギー目標など、第三者による評価を含めた7つの指標で、実効性を重視した取り組みを評価。「電気機器」編を筆頭に、これまで「輸送用機器」編、「食料品」編、「小売業・卸売業」編、「金融・保険」編を発表してきました。



たとえば、2015年2月発表の「輸送用機器」編では、日産自動車が総合得点100点満点のうち、87.5点を獲得して1位に。
一方、トヨタ自動車は長期ビジョンがないことなどから63.9点で4位となりました。この発表を受け、トヨタはすぐに対応。2015年10月には新車のCO2排出の9割低減や工場のCO2排出ゼロにチャレンジすると公表しました。

企業対応評価で世界的に有名な国際NGO「CDP」では、運用資産総額100兆ドルにもなる800以上の機関投資家が連携して世界の企業にアンケートを行っています。特に優れた対策をしている会社は「Aリスト」に選定されます。これは温暖化対策に積極的な企業だと認められた証拠。「Aリスト」入りにより、投資家から資金提供のチャンスが訪れるというわけです。

次のページ潮流は、もはや“低炭素”ではなく、あきらかな“脱炭素”へ

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