言わずと知れた『カシオ計算機』のヒット商品“G-SHOCK”。 伊部菊雄さんが生み出したG-SHOCKも、来年で35周年。長く愛され続けるワケと、G-SHOCKの今後の展開を、文化放送『The News Masters TOKYO』のパーソナリティーを務めるタケ小山がインタビュー。
G-SHOCKが長く愛されるワケ
G-SHOCKのGはGravity(重力)のことだ。3階からの落下実験を繰り返す伊部さんを見ていたデザイナーが名付けたという。 「発売から来年で35年。ずっと愛され続けているG-SHOCKですが、その理由はなんだと思いますか?」とタケ小山。
「ひとつは丈夫だということと、時代に合わせて進化し続けたこと」だと伊部さん。そして「メディアの方々が定期的にG-SHOCKを取材してくださったことが大きかったと思います」と言うが、G-SHOCKにそれだけの魅力があるから取材されるのだ。
G-SHOCKが変わらないのはその丈夫さ。そこに最新のテクノロジーと最新のスタイリングを取り入れ、常に進化し続けている。
「ファンの方は、ショップに行くのが怖いと言うんです。自分が持っていないG-SHOCKを見つけると、買いたい衝動を抑えきれなくなるからと(笑)」
90年代の大ヒットから一時、人気は落ち着いたが、ここ数年、再び盛り上がりを見せているのだ。90年代のブームのピーク時は年間600万個を出荷していたが、なんと2014年度は730万個、2015年度は800万個、2016年は850万個と過去最高を記録し続けているのだ。
そして今年は、G-SHOCKがシリーズ累計出荷1億本を突破して記念式典が行われた。 今の好調な勢いからすれば1億本はあくまでも通過点だろう。
伊部流 アイデアを生み出すコツ
「アイデア出しする際は、頭の中をまずチャラにしてから」
現在は後進の育成に力を入れているという伊部さんが勉強会で必ず伝えていることだ。
「アイデア出しをする際、どうしても今までの商品が頭の中にあるんです。だから、なかったことにする。そこからスタートすると新しいアイデアが生まれるんです」
G-SHOCKがもし上辺だけ変えていたなら、これほどまでに愛され続けていなかったであろう。
「最新のG-SHOCKの、あそこを変えよう、ここを変えようと言うだけでは、決して新しいものは生まれないんです」
だからこそ頭の中をチャラにする。これこそ伊部流アイデア出しのコツだ。 ただG-SHOCKの場合、ひとつだけチャラにしてはいけないものがある。それは“丈夫”であること。
G-SHOCKが誕生したキッカケにもなった“非常識なモノへの挑戦”と、伊部流アイデア出しのコツ“まずチャラにしてから”。これらがG-SHOCKの進化を支えてきたのだろう。
「『伝えたいことは25文字以内で』とあるんですが、これはどういうことですか?」とタケ小山。
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