「ゆうちょ銀行×地銀」共同出資ファンドで長年の対立関係に変化が……?

2017.12.05

経営・マネジメント

「ゆうちょ銀行×地銀」共同出資ファンドで長年の対立関係に変化が……?

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ここ最近、ゆうちょ銀行と全国各地の地方銀行が共同出資して、地方の中小企業を支援する地域活性化ファンドが次々と設立されていることをご存じでしょうか。 これまでゆうちょ銀行を「民業圧迫」と批判してきた地銀側ですが、年々厳しさを増す地域経済を立て直すべく、ゆうちょ銀行の資金力を活用しようと協調路線に転換。共同ファンド設立をきっかけに、地方マネーをめぐって長年反目してきた両者の関係は、互いに探り合いつつもジワジワと軟化しているようです。国営郵貯の時代から続く「ゆうちょ銀行 VS 地方銀行」という対立の構図は、これを機に大きく書き替えられるのでしょうか。

ゆうちょ銀行の「出資解禁」で実現した地域活性化ファンド

ゆうちょ銀行と地方銀行の共同ファンド設立は、昨年(2016年)7月、金融庁がゆうちょ銀行に投資基金への出資を承認したことがきっかけとなりました。
2007年に事実上「民営化」されたゆうちょ銀行ですが、これまでは資金の安全運用を理由に、貯金者から集めた資金を企業などへ貸し付けることが禁止されていたのです。昨年、その出資規制が解禁されたことで、ゆうちょ銀行は幅広い投資活動が可能になり、この1年ほどで地銀と共同出資した地方活性化ファンドを7件設立し、総額で約30億円を出資しました。

出資エリアは北海道~九州の全国各地におよび、熊本地震で被災した企業の復興支援や、地元企業の海外展開・事業継承のサポートなど、ファンドのテーマも規模(数億円~100億円超)も多種多様。地域経済活性化への貢献を地域金融機関に求める金融庁も、ゆうちょ銀行と地銀の連携を後押しする方針を示しており、今後も共同ファンド設立の動きはますます加速すると見られています。

ゆうちょ銀行・地銀ともにメリット大の共同ファンド事業

少子高齢化による過疎化や産業空洞化は、北海道・東北・四国・九州など地方ほど早いペースで進行しており、その深刻度も年々増しています。地方に根づく地銀としては、地域経済が沈下する前に手を打ちたいところですが、日本銀行のマイナス金利政策による利ザヤの縮小もあり、地元企業に支援融資などのリスクマネーを投じる余力がないのが現状です。地方の厳しい収益環境にあえぐ地銀にとって、莫大な資金力を持つゆうちょ銀行は、地方創生に向けた外部からの資金源として、またファンド投資におけるリスク分散の有力なパートナーとして、非常に頼もしい存在といえるでしょう。

ちなみに、ゆうちょ銀行の総資産は約207兆円で、三菱UFJフィナンシャルグループ(約298兆円)に次ぐ業界2位。他の2大メガバンク(みずほFG/約193兆円、三井住友FG/約187兆円)を上まわる資産を有しながら、これまで企業への貸し付けが禁止されていたため、一般的な民間銀行と比べると運用益の低い(=もうかりにくい)商売をしていたわけです。よって、昨年の出資解禁によるファンド設立の新事業は、ゆうちょ銀行にとっても資産運用先の拡大につながる絶好のチャンスなのです。

ライバルながらもタッグを組んで、地方創生に貢献

共同ファンド以外にも、ゆうちょ銀行と地銀の連携事業は広まりを見せています。2016年1月より、ゆうちょ銀行のATMで全国すべての地銀(105行)のキャッシュカードが利用可能になり、地銀ATMの運用・監視などの管理業務も、ゆうちょ銀行出資の日本ATMビジネスサービスに委託するケースが増加。今後は郵便局での「地銀代理店」サービスや、採算が厳しい過疎地での協業、金融×ITを融合したフィンテックの開発協力など、業務効率化やコスト削減につながる協同展開の可能性も期待されています。

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