「カネでカネを稼ぐな」経営危機から世界一に押し上げた“遊び人”の教え

2017.10.20

経営・マネジメント

「カネでカネを稼ぐな」経営危機から世界一に押し上げた“遊び人”の教え

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南青山リーダーズ株式会社

全自動製氷機を中心とした業務用厨房機器を製造・販売している日本最大手のメーカー・ホシザキ株式会社の坂本精志代表取締役会長が登場。 1947年に創業から70年に渡るホシザキの歴史と、坂本会長の経営手腕にタケ小山が迫る。

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ホシザキはここから始まった

ホシザキの創業者は坂本会長の父である坂本薫俊さん。大手電機会社に勤めていた薫俊さんが、日本ミシン製造(現・ブラザー工業)と合弁会社を設立しようとしたところから歴史が始まる。

坂本:
当時日本ミシン製造は、GHQの命令で精密機械が作れなかったので、何かしらの電化製品を作り生き残ろうとしていた。いざ、創業者とともに会社を立ち上げようとしたところGHQの命令が解除されることに。そこで創業者は独立して起業することになったんですね。

それからは日本ミシン製造の下請けをしながら、自社製品の開発を展開。

タケ:はじめてヒットした製品は何だったんですか?

坂本:
ジュース自動販売機です。創業者がアメリカの工作機械会社へ見学に行った際、ウォータークーラーを見つけ日本に持ち帰ったことがきっかけ。そのままホシザキで作ろうとしたが、さきに松下電器が作っていたためウォータークーラーの製造は断念しました。そうしているうちに、名古屋まつりでジュースの自販機として出さないかと話がきたんです。

水の代わりに自動でジュースが出る自販機を製造。祭りで出したところ子供に大変好評で、ホシザキの一大ヒット製品に。その後、改良を加えた炭酸飲料・天然ジュース・濃縮ジュース・噴水式など様々なジュース自販機が開発される。


製氷機との出会い

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坂本会長は大学を卒業後、現在のホシザキである星崎電機に入社。三菱電機に委託実習として勤務したのち、自動販売機の新たな可能性を探るためアメリカへ。そこでホシザキの命運を握る“製氷機”に出会う。

坂本:
現地でいろいろ案内してくれた人から“世の中、贅沢になればなるほど水と氷と紙が必要になる”と言われました。たしかに、アメリカにはそのころ日本にはなかった製氷機がたくさんありました。また、ジュース自販機を作るホシザキにとって冷凍技術は得意分野で、“氷”にピンときたというのもあります。

坂本会長はさっそくアメリカから製氷機を持ち帰り開発に取り掛かる。しかし、最初に開発した製氷機は売れなかったという。

坂本:
日本は貧しく高価なものは売れないと考え、安くて大量に生産できる雪状の“フレークアイス”が作れる製氷機を開発し売り込んだものの、すぐに売れないと気づきました。必要とされている氷は大きくて、純度が高く、温度が低いものでした。

タケ:
理想の氷が作れる製氷機を開発して売り出したわけですね?

坂本:
はじめは社内で氷の将来性について賛同してくれる人はいなかった。そうこうしているうちに、ジュース自販機の売れ行きが悪くなり会社が経営危機に直面しました。創業者の一声で製氷機に社運を託すことになったんです。もちろん、製氷機を売ってくれる代理店もいないので自社で売り込みをかけました。これが徐々に売れ、ホシザキは危機を乗り越えることができたんです。

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