ネット銀行の信用リスクは? 従来の銀行を凌駕するグループ企業の連帯力

2017.10.05

IT・WEB

ネット銀行の信用リスクは? 従来の銀行を凌駕するグループ企業の連帯力

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南青山リーダーズ株式会社

ネット銀行は、実店舗やATMに行かずとも、パソコンやスマートフォンで、振り込みから定期預金の預け入れ・解約、残高照合ができるうえ手数料も安価……といった新たな形態の銀行です。 さらに、最近のネット銀行は、各社の強みを生かした独自サービスを展開している点も特徴ですが、なかには信用面においても、従来の銀行を凌駕していく……、そんな予感さえ感じさせるネット銀行も存在するようになりました。 今回は、ますます身近になりつつあるネット銀行の底力について、お届けします。

独自のスタイルをもつネット銀行

「新たな形態の銀行」として、金融庁に区分されたネット銀行。その始まりは、21世紀を迎えた2000年10月12日に、ジャパンネット銀行が開業したことに端を発します。当時のさくら銀行と富士通のネット銀行構想からスタートしたことも大きな話題となりました。

ほかにも、セブン銀行、ソニー銀行、楽天銀行、住信SBIネット銀行、じぶん銀行、イオン銀行、大和ネクスト銀行、オリックス銀行、新生銀行……など大手が一気に参入。グループ企業の連携を強みとしたサービスなどにより、マイナス金利の影響を受けつつも、全体として著しく成長していることから、いまや百花繚乱の様相を呈するネット銀行といえます。

短期間でここまで急成長したわけをみると、
実店舗を持たない → コストカットした分を金利の上乗せや手数料の引き下げ → 利用者に還元……
といった好サイクルが私たちにとっての魅力となっていますが、たとえば楽天銀行は、流通と決算をグループ内で完結させることで高い利益率を生み出していますし、セブン銀行は全国各地にあるセブンイレブンATMを使用した際に提携銀行から入る手数料により、安定した収益を得ています。

こうしたネット銀行の実力を裏付けるひとつの目安となるのが、信用格付業者による評価ともいえるでしょう。実際、3メガバンクにも劣らない、むしろそれ以上の評価を受けているネット銀行もあるのです。

銀行のなかで、最も高い格付けは?

信用格付業者は、金融商品取引法の規定により金融庁に登録されています(日本では7つの格付会社が登録)。

評価基準を大まかに言えば「財務基盤」と「事業基盤」の健全性の2点になり、評価が高いほど、相対的にリスクが低いといえます。では、信用格付業者「R&I」、「日本格付研究所」、「スタンダード&プアーズ」による評価を見ていきましょう。
※すべてのネット銀行が格付けを取得しているわけではないことを考慮してご覧ください。



図のように並べてみると、特筆すべきは3メガバンクの三菱東京UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行と同等の評価であるソニー銀行、そして、それ以上に高い評価を得ているセブン銀行の存在です。

R&Iの評価では、セブン銀行が「AA」を獲得。3メガバンクを抜いてトップの評価を得ています。
また、日本格付会社の評価では、ソニー銀行が「AA-」と3メガバンクに迫る評価で、りそな銀行より高い評価になっています。
スタンダード&プアーズの場合も、セブン銀行は三菱東京UFJ銀行と同じく「A+」で最高評価を獲得。ソニー銀行もみずほ銀行や三井住友銀行と同じ高評価「A」を得ています。

次のページセブン銀行とソニー銀行の強み

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