5億~6億人の人びとを貧困から脱出させた、Microfinanceの行方は?

2017.09.12

経営・マネジメント

5億~6億人の人びとを貧困から脱出させた、Microfinanceの行方は?

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社会が成熟すると収入・職業・居住地等によって格付けが行われ、富裕層、中間層、貧困層といった格差が自然と生じます。 日本社会でも男女格差を筆頭に、最近は子どもの教育格差、都市と地方の格差、年金格差などが取りざたされていますが、自然災害、不況、リストラ、倒産、病気、離婚、シングルマザー、母子家庭、ワーキングプア、低所得の若者、老後の無年金者など、いわゆる「格差の底辺」といわれる生活苦にあえぐ人々もたくさんいます。 ── これまで2回に分けて、成熟していない社会のもと、長期にわたって絶対貧困層から抜け出せなかった人々を救済してきたマイクロファイナンス(以下・Microfinance)の功績について触れてきましたが、今回はMicrofinanceがもたらす弊害と、日本の「相対的貧困率」を考察します。

競争激化 = 利潤・返済率低下という弊害も

Microfinanceの先駆けとしてバングラデシュで創設されたグラミン銀行の革新的スキームと成功によってMicrofinance の認知度が一気に上昇し、1980年代から政府系機関、NGO等の支援団体、民間の非政府組織によるMicrofinance機関が世界中で設立。またたく間に約1万以上の「MFIs」が存在するようになった、と前回ご紹介しました。
さらに今日では、数万人から数百万人規模の顧客を擁する「MFIs」も増加。世界でMicrofinanceが認知されて以来わずか20〜30年で、支援方法も事業規模も多様な「MFIs」が貧困層に融資を実行(支援を展開)したことで、すでに5億~6億人の人びとが継続的な所得を得られるようになり、貧困層から脱出したといわれています。

しかし、世界各国・各地でMicrofinance機関が設立され、貧困層への融資が積極的に行われるようになったものの、それはともすれば競争激化= 利潤低下という悪循環を生み出すことに。さらにはオペレーションコストの高騰が生み出した高金利によって、返済率低下が懸念材料になったことで、今日では開発途上国に拠点を置く「MFIs」間では、債務者情報が共有される「情報共有システム」が新たに構築されつつあります。

女性一人の継続収入 = 家族の生活向上

あわせてMicrofinanceでは、“女性”にフォーカスした取り組みも注目すべきポイントとなります。日本でもここ数年、女性の活躍が話題になっていますが、同様に先進国や経済大国においても「男女不平等」にまつわるニュースが日々取りざたされていますね。
女性の社会進出は国や社会の成熟度をはかるバロメータと言われますが、特に開発途上国では「男女不平等」の根は深く、女性に人権が与えられていない国も多く存在します。第1回「貧困緩和を目的とする、小規模金融〈マイクロファイナンス〉とは?」の記事でご紹介した「サブサハラ・アフリカ地域(サハラ砂漠以南)」に暮らす3〜4人に一人が、「1日に使えるお金が100円未満」の生活を強いられており、その大半が女性と子どもであることも判明しています。
こうした点から、Microfinanceを女性に積極的に活用してもらうことで、女性自らが小規模ビジネスを始める機会を提供し、継続収入を得られるまでをサポートするMicrofinanceのサービス支援アクターの存在も、現在大きな注目を集めています。

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