「同一労働同一賃金」は、新しい実力主義。

画像: Yuichiro MASUI

2017.01.30

組織・人材

「同一労働同一賃金」は、新しい実力主義。

川口 雅裕
NPO法人・老いの工学研究所 理事長

公平を期した処遇制度が持つ複雑さは、モチベーションの低下を招く。

「同一労働同一賃金」は、新しい実力主義とも言えるだろう。本来、仕事に関係のない要素を、報酬を決める根拠から外すという点は同じ。違うのは、おおまかに言えば、業績(結果)に連動させるのではなく、労働の内容(プロセス)に連動させるという点だ。プロセスは結果ほどには大きく変動しないから、「同一労働同一賃金」は「報酬を比較的安定させることができる実力主義」なのである。今後を考えると、労働者の属性・状況が多様化していくので、処遇の公平を期すための継ぎはぎには早晩、限界がくる。仕事に関係のない要素で報酬を決めるのも、理解されなくなるだろう。そもそも「同一労働同一賃金」は先進諸国の常識で、これにいつまでも抗えるとは思えない。現行が、差別的処遇であると言われて言い返すのが難しいのも事実だ。何が同一労働かという難しい議論は継続して検討する課題とした上で、早めに「同一労働同一賃金」の思想を取り入れた処遇制度を導入するのが得策ではないだろうか。

Ads by Google

この記事が気に入ったらいいね!しよう
INSIGHT NOW!の最新記事をお届けします

川口 雅裕

NPO法人・老いの工学研究所 理事長

「高齢社会、高齢期のライフスタイル」と「組織人事関連(組織開発・人材育成・人事マネジメント・働き方改革など」)をテーマとした講演を行っています。

フォロー フォローして川口 雅裕の新着記事を受け取る

一歩先を行く最新ビジネス記事を受け取る

ログイン

この機能をご利用いただくにはログインが必要です。

ご登録いただいたメールアドレス、パスワードを入力してログインしてください。

パスワードをお忘れの方

フェイスブックのアカウントでもログインできます。

INSIGHT NOW!のご利用規約プライバシーポリシーーが適用されます。
INSIGHT NOW!が無断でタイムラインに投稿することはありません。