コスト削減手法のトレンド

画像: きじとらさんさん

2017.01.19

経営・マネジメント

コスト削減手法のトレンド

野町 直弘
株式会社クニエ プリンシパル

コスト削減手法にもトレンドがあります。高成長期のIE手法から、その後のソーシング手法、これからはイノベーションを活用したゼロサムではないコスト削減手法がどんどん出てくることが期待されます。どのような手法でしょうか。

この正月に研修用の資料を作りながら感じたことがあります。
それは、コスト削減手法にもトレンドがあるな、ということです。

昭和の頃のコスト削減手法はどちらかというと加工費の削減に重みをおいています。IEアプローチやOR、ECS、などの手法であり、どちらかというとコスト削減よりも出来高の向上(工数削減、生産量増加)に力を注いでいるものです。外注コストに関してもその流れを踏まえて加工費を中心にコスト目標を試算しサプライヤの生産性向上を指導していく、という考え方が一般的でした。

何故ならそもそも製造業におけるサプライヤの活用は、基本内製からスタートし、生産能力の不足から外注を活用するという位置づけから始まったからです。また、この時期は、作れば売れる時代でしたので、出来高を上げて供給力を如何に増強していくか、が重視されました。そのような時代背景もあって主要なサプライヤのコスト削減手法はコスト分析によるコスト妥当性の評価やそれによる指導という手法だったのです。

これが経済の低成長期に入り、でてきたコスト削減手法のトレンドがソーシングです。戦略ソーシングと言う言葉が使われるようになったのもこの頃からでした。ソーシングとは、「安いところから買う」というコスト削減手法です。この手法の特徴は応用範囲が広いことです。従来の外注加工だけでなく、広がってきた購入品や開発品(サプライヤに開発から委託)、購入材料、また2000年代に入ってからは所謂間接材である経費系の買い物やサービスなどの調達購買でも活用できる手法でした。また、ソーシング手法と合わせてサプライヤの切替えや集約を図ったり、購買計画に基づき集中購買を進めボリュームメリットを引出すことで大きな効果をもたらしたのです。

ところが、ソーシング手法も昨今は行き詰まりをみせています。様々な企業の調達本部長と話をしていると皆さんが同じことをおっしゃられるのです。最近の購買は「相見積や比較購買、入札ばかりであり、コスト査定の能力が落ちている」と。またソーシング手法も同じ費用や品目で同じサプライヤを競い合わせることを何度も繰り返せば限界が来ることは容易に想像できます。
(「調達購買改革の誤解」というレポートにもそういう内容を書いています。)

ソーシング手法の限界が見えてきた今、もしくはこの先、どのようなコスト削減手法が求められるでしょう。私はイノベーションを伴ったコスト削減手法を活用する活動が、次第に広がってくると期待も込めて考えています。

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野町 直弘

株式会社クニエ プリンシパル

NTTデータグループのコンサルティング会社である株式会社クニエの調達購買改革コンサルタント。 調達・購買分野に特化したコンサルティングを提供している株式会社アジルアソシエイツの元代表。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルがサービス提供を行います。

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