経営戦略構文100選(仮)/構文13:コア事業再定義

画像: ぱくたそ

2017.01.23

経営・マネジメント

経営戦略構文100選(仮)/構文13:コア事業再定義

伊藤 達夫
THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

経営戦略の基本的な内容を解説していく内容です。構文という意味はバラバラに読んでもそれなりに意味がわかって読める、定型化されているということですが、読み物としてもそれなりに読めることを目指します。

利益が出る場所は移動します。バリューチェーン上で移動するので、プロフィットプールの移動に合わせて垂直統合なり水平分業なりの選択肢はあって、事業定義は変え続けないといけないのは宿命的ではあります。

ただね、顧客視点で見た時に、本当にそれって価値なんですかね?というポイントはある。コアな顧客に合わせて機能を発達させてきたはずなのに、マーケットがシュリンクしているように見える。

一般的な戦略/マーケティング的には成熟とかコモディティ化とか、そういう言葉で片付けられますし、「イノベーションのジレンマ」的な答え方は、ディスラプトされるマーケットだということですし。

これに対する対処はあるのか?というところで、この原因を何に求めるのか?という考え方がたくさんあります。

ベイン&カンパニーさん的には、コア顧客のニーズをちゃんと見直そう!で解決するわけです。「イノベーションへの解」的には、機能が十分になってしまったのだろうし、顧客のジョブからずれてしまっているのでしょうし。「ブルーオーシャン戦略」的には、提供している価値を分解して、いらんものを切って、いるもんを足せばいいんでしょうし。

まあ、言ってることは同じように見えます。「みんなおんなじ経営戦略」なんて本が書けるかもしれませんね。(星野さんごめんなさい)

これは成熟やらコモディティ化の解釈の問題だと思っています。

当然、SCPパラダイムから見れば、産業を固定し、業界構造の変化として捉えられ、プロフィットプールの移動として捉えることになります。

「イノベーションのジレンマ」的に見れば、自社の製品機能に基づいたバリューネットワークが「当初の顧客」の要求からずれてしまうとして捉えることになります。

「ブルーオーシャン戦略」的に見れば、熾烈な争いのレッドオーシャンになってしまった状態になるわけです。

私がいつも思うのは、想定する状況からずれなければいい、ということです。どちらかというと状況変化として私はこういった現象を捉えているので、因果関係の説明の必要があまりない。状況一元論みたいな形で説明して、学習やら脱学習やらやってもらうわけです。

コア事業再定義でしたね。

コアなお客さんが何を求めていて、どれぐらいずれちゃったのか?を捉えればいいだけです。

「だけです」って軽いですね。ずれているということは、社内のプロセスを修正しないといけないし、組織も修正しないといけないんですよ。めちゃくちゃしんどい。できればずれないようにしてほしい。

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伊藤 達夫

THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。

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