調達購買改革の新しい基軸

画像: Yuichiro Kobayashi さん

2016.12.27

経営・マネジメント

調達購買改革の新しい基軸

野町 直弘
株式会社アジルアソシエイツ 代表取締役社長

調達購買改革は従来の第一ステージから第二ステージに移行しつつあります。そこでのポイントは「考えられる組織」と「層別化・重点化」です。

ここでは、調達購買改革に力を入れて約10年程経つ企業の調達部門の行動指針を例にとり説明してましょう。この企業は10数年前に調達部門を強化し組織化、人員増強して集中購買を進めてきました。最初の数年間はコスト削減にフォーカスし、その後は業務効率化と共に社内統制の強化を推進してきたのです。ところがここにきて社内関連部門からはかなり評判が悪い部門となっていました。トップダウンで上から目線になっているとか、面倒なことばかり言ってくる、とか。
そこでこの企業はユーザー、サプライヤから声を吸い上げ、それを元に調達部門長を中心に行動指針を作りました。行動指針策定の過程では部門長が中心となって各グループマネジャーが喧々諤々と議論を行いながら進めていき、最終的にはとてもシンプルな「社内ユーザーへの貢献」を一義にすることが結論となったのです。
「社内ユーザーファースト」の視点です。そしてこの行動指針を共通の価値観として部門全員に動機づけを進めていきました。

このようにその企業の置かれた状況や事業環境、歴史的な背景など、によって調達購買部門に求められる価値観は異なります。これらを理解した上で行動指針に落とし込み業務推進していくことが今後多くの企業に求められていくでしょう。

もう一つの調達購買改革キーワードは「キーワード型改革からの脱却」です。

この10数年間調達購買改革は「キーワード型改革」が主体でした。例えば「『集中購買』推進で『サプライヤを半減』しXX億円の『コスト削減』」」とか、「『マルチソース』で『リスクマネジメント、BCPを推進』」などなど。

シンプルなキーワードによる改革推進は改革初期段階では強力な推進力につながります。そのため必ずしも悪いことではありません。しかし多くの企業では、ある程度調達購買改革が進んでいるために、キーワード型改革はリスクや弊害につながりやすいです。以下のような調達購買改革がその代表的なものになります。

1.「集中購買」で「サプライヤ集約」して「コスト削減」を実現する
2.「サプライヤ評価」をやれば「サプライヤマネジメント」ができる
3.「複数社発注」で「リスクマネジメント」を実現する
4.「部品集約」で「コスト削減」を実現する
5.「競争化」で「コスト削減」を実現する

これらのキーワードは良く考えてみると必ずしも等式では結びつきません。優秀な調達購買担当者や改革推進者は理解しています。これらのキーワードが一人歩きすることで手段が目的化してしまうことも少なくありません。

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野町 直弘

株式会社アジルアソシエイツ 代表取締役社長

調達・購買分野に特化したコンサルティングを提供している株式会社アジルアソシエイツの代表をしております。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルがサービス提供を行います。

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