コンセプチュアル思考〈第14回〉 概念の図化 =空間的表現=

画像: Career Portrait Consulting

2016.10.06

組織・人材

コンセプチュアル思考〈第14回〉 概念の図化 =空間的表現=

村山 昇
キャリア・ポートレート コンサルティング 代表

概念を起こす力・意味を与える力・観をつくる力を養う『コンセプチュアル思考』のウェブ講義シリーズ

が、これではまだ練り足りない気がします。その「重い/軽い」の奥にあるものは何でしょうか。それは、動機の違いではないでしょうか。伝票処理をやる動機はさほど高尚なものではありません。単に処理しなければならないという労役的な動機です。それに比べ、途上国に病院をつくる仕事の底にあるのは使命的なものです。となると、軸としては「いたしかたなくやる動機/湧き上がってくる動機」を両極としてはどうだろうと考えつきます。

そして、その2つの基軸を立てて四角の枠を描いてみます。そこにさまざまな要素を配置していくと、仕事という概念の広がりを2軸平面上に表した図ができあがります。

また、ここでは図の補強として『3人のレンガ積み』の寓話を加えることもできます。寓話は次のようなものです。

中世ヨーロッパのとある町。建築現場で3人の男が働いていた。何をしているのか? と聞かれ、それぞれの男はこう答えた───

「レンガを積んでいる」。最初の男はつぶやいた。
2番目の男は「カネ(金)を稼いでいるのさ」と答えた。
そして、3番目の男は高く顔を上げて言った。「町の大聖堂を造っているんだ!」。

この3人の男はレンガを積むという同じ仕事をしています。しかし、おのおのの仕事観はまったく異なります。1番目の男はレンガ積みを単発の作業としてやっています。2番目の男は生活の糧を得るための稼業としてやっている。3番目の男はそれを使命としてやっている。彼らの仕事を図の平面においてみると下のようになります。


次回は、「仕事とは何か」を時間的な観点で図化する作例を取り上げます。


続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。

Ads by Google

この記事が気に入ったらいいね!しよう
INSIGHT NOW!の最新記事をお届けします

村山 昇

キャリア・ポートレート コンサルティング 代表

人財教育コンサルタント・概念工作家。 『プロフェッショナルシップ研修』(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)はじめ「コンセプチュアル思考研修」、管理職研修、キャリア開発研修などのジャンルで企業内研修を行なう。「働くこと・仕事」の本質をつかむ哲学的なアプローチを志向している。

フォロー フォローして村山 昇の新着記事を受け取る

一歩先を行く最新ビジネス記事を受け取る

ログイン

この機能をご利用いただくにはログインが必要です。

ご登録いただいたメールアドレス、パスワードを入力してログインしてください。

パスワードをお忘れの方

フェイスブックのアカウントでもログインできます。

INSIGHT NOW!のご利用規約プライバシーポリシーーが適用されます。
INSIGHT NOW!が無断でタイムラインに投稿することはありません。