仕事のやる気を失わせるその「ミスマッチ」は何の違和? 

画像: Japanexperterna.se

2016.01.07

仕事術

仕事のやる気を失わせるその「ミスマッチ」は何の違和? 

村山 昇
キャリア・ポートレート コンサルティング 代表

自分の能力適性と仕事内容がマッチしないというのは、実は「小さなミスマッチ」です。中長期のキャリアで気にかけるべきは「大きなミスマッチ」です。

「年をとるにつれて誰でも自分らしくなるのだ。
年とともによくなるとか、悪くなるとか、ではない」。
───ロバート・アンソニー


◆能力と配属の齟齬は「小さなミスマッチ」
働くモチベーションを低下させる原因として、いわゆる「能力適性と配属のミスマッチ」があげられます。私は入社3年目から5年目の20代従業員に向けたキャリア開発研修を多く手がけていますが、そこで受講者に対して発するメッセージは2つです。

 1)ミスマッチを言い訳にしない。それはむしろチャンスになりうる
 2)小さなミスマッチより大きなミスマッチを怖れよ

まず、1つめに関して。自分はこういう能力適性や資質がある(と思っている)のに、会社はそれとは無関係の部署に自分を配属した。だから自分はやる気が出ない。会社の人事が許せない……という心理モードになる若手社員は多いものです。

しかし、本人が考えている能力適性や資質は、どれだけ本当のものなのでしょう。就活のときにいろいろ自己分析ツールを使ってみて、それで「あなたはこれこれこういうタイプの人間である」といった診断結果を信じ込んでいるのでしょうか。はたして自分は、そういった30分ほどのペーパー上の分析ツールによって、すべてが診断されてしまうほど中身の単純な存在でしょうか。

想定外の部署に放り込まれ、想定外の仕事を任されることで、想定外の自分が開発されることが多くの人たちに起こっています。あるいは、振られた環境は確かに自分にとって違和感だらけのものだったが、自分の努力で環境を馴染むように変えていった例もまた多くあります。そうやって人は深い成長と自信を獲得していきます。ですから、ミスマッチ配属はむしろチャンスになりえるのです。若いうちからいたずらに自己を狭く限定することは才能を殺すことにつながります。ミスマッチ配属を言い訳にして、一人勝手にやる気をなくしている状態はほんとうにもったいないと思います。

◆留意すべきは「大きなミスマッチ」
そして2つめ。自分の能力適性と仕事内容がマッチしないというのは、実は「小さなミスマッチ」です。中長期のキャリアで気にかけるべきは、「大きなミスマッチ」です。

「大きなミスマッチ」というのは、年齢とともに強くなってくる自分本来の性分(しょうぶん)と仕事内容・仕事環境とのミスマッチです。あるいは、自分の根底にある価値観と雇用会社が持っている価値観のミスマッチです。この次元の違和感・齟齬こそ、自分を重く苦しめるものになります。しかもそれが顕著になってくるのはたいてい30代後半から40代にかけてのことで、その時点では、すでに私生活で守るべきものが大きくなっていたり、簡単に転職もできなかったりで、その違和感を簡単には解消できない状況になっています。仮に能力的にはその仕事がこなせても、心の奥では拒否エネルギーが溜まり、心身に悪い影響が出はじめます。しかし、生活のために仕事は継続しなければならない……。こういう不整合が、だれにも起こる可能性があります。

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村山 昇

キャリア・ポートレート コンサルティング 代表

人財教育コンサルタント・概念工作家。 『プロフェッショナルシップ研修』(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)はじめ「コンセプチュアル思考研修」、管理職研修、キャリア開発研修などのジャンルで企業内研修を行なう。「働くこと・仕事」の本質をつかむ哲学的なアプローチを志向している。

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