評価と教育をリンクさせる 2

画像: Ben Ledbetter, Architect

2015.12.17

組織・人材

評価と教育をリンクさせる 2

株式会社新経営サービス 人事戦略研究所
株式会社新経営サービス

評価者研修を充実させる 繰り返しますが、人事評価制度がうまくいくかどうかのカギを握るのは、評価者です。評価者が優秀であれば、一般的な人事評価表を使ってもうまくいきますし、評価者が優秀でなければ、どんなに人事評価表を作りこんでもうまくはいきません。そういった意味で、評価者のレベルアップは非常に重要です。

ただし、一人の部下のみが評価すると、上司・部下の関係性に大きく影響を受ける
ため、最低でも3名程度の部下が評価するようにします。また、誰が評価したのか
が分かるとトラブルを誘発する恐れがあるため、人事部主導で匿名性を高めて実施
することも重要です。

多面評価制度を管理職に対して実施している企業は、13.9%(労務行政研究所
調べ)となっています。しかし、その中身を見てみると、「昇進・昇格の参考資料」
「上司による人材育成の促進」「本人のきづき」が目的であり、昇給や賞与に活用
している企業は少なくなっています。

多面評価(360度評価)の活用③

多面評価は非常に有効な手法ですが、人事評価制度の一部として処遇に大きく反映
させるのは難しく、世間でもそれほど採用されていません
企業が研修スタイルで社員教育を行う場合、大きく2つの方法があります。

一つは、知識や技術を習得するための研修で、ロジカルシンキング研修や、計数
能力強化研修などがそれにあたります。
もう一つは、参加者に "気づき" を促し、今後の行動変革につなげるための研修
ですが、多面評価の実施は非常に有効なツールになりえます。

非常に有効と言えるのは、教育研修のツールとして活用する場合です。

気づきを起こす手段の一つとして、自分が考えていた"自分像"と、他人から見た
"自分像"を比較する方法があります。自分では、それなりに考え、場合によっては
信念を持って日頃の言動を行っているものの、他人からは違った印象を持たれている
ということが多々あります。

上記に、弊社が研修時に使用している多面評価シートのサンプル(実際は、各企業に
合わせて設問を加工します)を掲載していますが、こういった設問について自己評価、
上司評価、部下評価、他部署評価などを行うことにより、自分が認識している自分と、
他人から見た自分を比較します。

実際の研修では、特に自己評価と他人評価のギャップが大きい項目を中心に、「何故
そのような評価結果になったのか」を検証することで、新たな気づきにつなぐことが
できます。

ただし、評価結果は非常にシビアなものである可能性も高いため、参加者が評価者を
特定できないようにするなどの工夫が必要です。安易に取り組むと、参加者のモチ
ベーションを下げたり、会社の雰囲気を悪くしたりする恐れがあります。

専門の外部業者に依頼した方がよいと言えます。


執筆者:森谷 克也

人事戦略研究所 マネージャー

事業会社で営業職や販売管理職を経験した後、前職ではマーケティング・営業強化の
コンサルティングに従事。現在は、5~10年先の内部環境・外部環境を想定し、企業の
成長を下支えする「組織・人事戦略」の策定・運用が図れるよう、≪経営計画 - 人事
システム -人材育成 ≫を一体的にデザインする組織開発コンサルタントとして実績を
積んでいる。また、カタチや理論に囚われない、中小企業の実態に即したコンサルティ
ングを身上とし、現場重視で培った独自のソリューションも多く開発している。

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