エディー・ジョーンズからリーダーシップを考えてみる

画像: norimi hasegawa

2015.10.15

組織・人材

エディー・ジョーンズからリーダーシップを考えてみる

野町 直弘
調達購買コンサルタント

RWC2015で日本ラグビーは歴史を変えました。そのリーダーであるエディー・ジョーンズHCは日本チームをどのように変えたのでしょうか?

一方でエディー・ジョーンズHCは南ア戦でメンバーを落とすことはしませんでした。というよりも今回の日本代表は誰が出ても戦力が大きく落ちるというチームづくりはしていませんでした(少なくとも素人目にもそう見えました)。実はここが前回とは大きな違いだったのではないでしょうか。サブメンバーや交代メンバーの強化ができていました。また、そういうチーム
作りができていたからかも知れませんが、多くの方が南ア戦は勝つことは難しいから第二戦のスコットランド戦に焦点を絞りメンバーを選定すべきという声もある中で初戦からメンバーを落とさずに、とにかく自信を持って戦えと選手を送り出したのです。

リーダーができることはメンバーに自信をもたせること、何かあったときの対策を事前にとっておくこと(例えばサブや交代メンバーの育成を意識的に行うこと)、困った時には助けること位です。これしかできないのです。しかしそれを実現したのがエディー・ジョーンズHCでした。

タイミング良く、先日慶應義塾大学の小杉俊哉先生の「リーダーシップと人材マネジメント」という研修に参加する機会がありました。リーダー像は時代時代によって求められる人物像が異なってきているとのことです。織田信長やナポレオンのように民衆を助けてくれるカリスマ型リーダーから、日産のカルロス・ゴーン、GEのジャック・ウェルチのような改革推進をするチェンジリーダーが生まれてきました。また最近は支援型リーダーが望まれるリーダー像として注目されているようです。

支援型リーダーは自律型組織を作れ、率いることができるリーダーです。自律とは自ら自発的に動くことができる人のことを言います。また自律型組織とは、現場が自律的に動くことができている、またそのための権限が委譲されている、現場の末端まで価値観が共有されている、組織を言います。小杉先生の「リーダーシップ3.0」(祥伝社)にも取上げられてていますが、このような自律型組織を実現している企業は非常に高い収益を上げていることが分かっています。

新しいリーダー像である支援型リーダーは自律型組織を作り、育てることができる人なのです。そういう意味ではラグビー日本代表チームを率いたエディー・ジョーンズHCは自ら意識していたかどうかは別にして現代の優秀なリーダーの要件を持っていたと言えるででしょう。

小杉先生の研修では「リーダーの資質」についても触れられていました。優秀なリーダーや潜在能力が高い人材を分析すると共通する資質がある、それは「学習」する意欲である、ということでした。今回研修に参加して改めて感じたのは、人間はいつまでも「学習」したり新しいことに「チャレンジ」する意欲をもたないといけないな、ということでした。

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野町 直弘

調達購買コンサルタント

調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。

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