UD商品戦略が支える三菱の“大人家電”

画像: Kamihara Sally

2015.09.08

営業・マーケティング

UD商品戦略が支える三菱の“大人家電”

神原 サリー
株式会社神原サリー事務所 代表取締役/顧客視点アドバイザー

 三菱電機のコンシューマー向けウェブサイト内に、新コンテンツ「三菱“大人”家電」がオープンした。シニア向けの家電の提案ということでは、ターゲットをほぼ同じに設定しているパナソニックの「Jコンセプト」のシリーズと似ている。だが決定的な違いがあるのだ。その違いとは何か。そして三菱の強みとは。すでに5年前に始まっている同社の取り組みから、紐解いてみたい。

他社製品との連携や視覚障がい者への取り組みも

 大人家電にセレクトされている液晶テレビ「REAL」は、タニタの体組成計や活動量計と連動しており、ワイヤレスのBluetooth(R)通信により計測したデータを自動転送で受け取って大きな画面に表示させることができる機能も搭載されている。場所を選ばずいつもの場所で計測したい向きにはSDカードでのデータ登録も可能だ。計測データは4週間、3か月、半年、1年の表示でグラフ化されるため、変化がわかりやすく計測の習慣もつきやすい。この機能などは、UDの基本をさらに発展させて「楽しさや一歩上の使い方」をアシストしてくれるものといえるだろう。

 また毎年11月に開催されている視覚障がい者向け総合イベント「サイトワールド」へも第4回の2009年より毎年出展しており、音声ガイド付きの蒸気レスIHジャー炊飯器やIHクッキングヒーター、番組表や操作メニュー、録画した内容などを読み上げる“しゃべるテレビ”などを紹介している。点字シールを配布するというような対応もあるが、基本的には既存の製品が視覚しょう害者にも使いやすいものであるように配慮されているものが多い。

 できるだけ多くの人にとってわかりやすく、使いやすいものをというUDの基本が「らく楽アシスト」の製品群には生きている。5年前にその名称を聞いたときにはあまりにストレートである意味洗練されていない言葉のようにも聞こえたが、あれから時を経てさらに高齢化社会が叫ばれるようになった今、その大切さが身にしみるし、将来を見据えた戦略だったとうならざるをえない。

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神原 サリー

株式会社神原サリー事務所 代表取締役/顧客視点アドバイザー

新聞社勤務を経て、フリーランス・ライターに転身。マーケティング会社での企画・広報などを兼務した後、顧客視点アドバイザー&家電コンシェルジュとして独立し、2008年に株式会社神原サリー事務所を設立。「企業の思いを生活者に伝え、生活者の願いを企業に伝える」ことをモットーに顧客視点でのマーケティングを提案している。

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